留学VOICE

2010年三重大学卒業 清水優と申します。
2021年8月まで大阪大学医学部附属病院麻酔科で勤務させて頂いておりましたが、現在は中国医薬大学の学士後中医学科の学生として台湾に留学しています。
私は大阪大学附属病院で麻酔科医として勤務する数年の間に、治療を要する病気に罹患し、中薬を数年内服した結果、中医学を勉強したいと思うようになりました。しかし、麻酔科医として勤務しながら、中医学の勉強は可能なのでしょうか?医局の先生方に相談した結果、大学での勤務を行いながら、研究日を頂いて中医学(中薬と鍼)で治療をする先生の元に週1度勉強させて頂けることになりました。しかし、2019年にCOVID19が流行後、中医の先生のところで勉強を継続することが困難になりました。日本では中医学の勉強する方法自体が少なく、勉強継続を模索した結果が台湾へ留学でした(当時COVID19は台湾では流行していなかった)
2021年9月に入学後本来であれば、今年度は3年生なのですが、昨年度休学したため、今年は2年生になります。私が学ぶ学士後中医学科の学生は大学卒業後、直接再度大学入学する方もいれば、仕事をした後入学する方もいるので、年齢は様々です。結婚して子供がいる方もいるし、退職後に入学される方もいます。授業はすべて中国語で行われるため、中国語が母国語ではない私には非常に大変です。グループワークでの発表も多く、中間、期末試験は20秒ごとにスライドで問題が換わる形式で出されたり、机に薬が置かれていて30秒毎にブザーがなり、隣の席に移って答案を書く(跑考)があったりと、専門医合格後試験を受けることがなかった私にとって、試験ばかりの生活は慣れません。
昨年度休学した理由は入学直後に妊娠したことがわかり、出産後育休を申請したからです。台湾では妊娠中から子供が3歳になるまで間で合計3年間休学の申請が可能です。私のVISAは学生VISAのため、休学すれば帰国が必要となり、出産後の月子中心(産後ケアセンター)を利用してみたかったので、どうしても出産の際は台湾に残りたかったので、1年度を強行しました。 日本と同様に台湾は国民皆保険なので、台湾に居住後半年で健康保険が使用可能です。私も出産の際は健康保険を利用し、無痛分娩も日本円で5万円程度、出産費用も合計20万円程度と日本と比較すると低額で出産することができました。産後ケアセンターも出産も中国医薬大学病院を利用したため、学割(職員や学生は割引が付く)で、費用的もだいぶ抑えることができました。産後の回復も早く、日本でも無痛分娩が主流になればいいなと個人的には感じました。産後ケアセンターは5食(2食はおやつ)付で、期末試験がなければ子供も預けてゆっくりできて、快適な産後ライフだったのではないかと思いますが、私は期末試験があり大変だった記憶しかありません。
今回の留学は先生方や家族の協力により遂行することができました。本当にありがとうございました。今後の展望ですが元々疼痛管理に興味があり、麻酔科医を志したため、今回得た知識は将来的に中薬や鍼を疼痛治療に利用できればと考えております。まずは、卒業できるように頑張りたいと思います。


  • 月子中心の食事

  • 大学の先生がくれた、出産数日前に参加した試験のときの写真 35㎏⇒50㎏になったので苦しかったです。

  • 大学の同級生との写真

  • 大学の同級生との写真
大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔集中治療医学教室

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