大会長挨拶

堀 正二

大会長 堀 正二(大阪大学)

生体医工学は、工学的方法を医学、医療に応用し、医学生物学的知見を工学に応用する医学と工学が出会う研究領域として、約半世紀前に組織され今日まで発展してまいりました。例えば、超音波装置、CTやMRIなどの画像診断技術は、この学問領域で誕生し、今日の医療ではなくてはならない技術となっています。また、工学領域で話題となっているロボット技術は、本学問領域の研究に基礎を置いております。
日本生体医工学会は、医学・医療と工学の連携から新しい研究領域、技術を生み出すことに本質的な使命があります。また、医学、工学の広い範囲から研究者が集うことに大きな特徴があります。それぞれの研究者がこの領域の全体を見渡す視野をもち、自由に議論する雰囲気の中に、新しい芽が育つ土壌があります。第47回大会は、「明日の医療を支えるBME」をテーマとし、これから大きく育つ新しい芽にスポットライトを当てたいと考えております。そして、分子イメージングやナノテクノロジーといった話題のトピックスから医療機器開発やベンチャーの役割まで、医学・医療が工学に求めるニーズと医学領域における工学のニーズを知り、自身の研究領域の議論を通じて新しい発見と挑戦する意欲が得られるよう、企画に工夫を凝らしています。本大会が生体医工学領域の研究者を育てる土壌となり、明日の医学・医療を支えるBMEの発展に貢献できれば、主催者としてこの上ない喜びです。