Research

筋・腱・半月板=運動器疾患の診断と治療の改善を目指した基礎研究

運動器疾患を診療する医師として、臨床上の課題解決を目指した研究を行っています。
主な研究テーマは以下になります。

  • 膝蓋腱障害の病態解明と治療法開発:エコーによるヒト疾患と動物モデルのリンク
  • 超音波診断装置を用いた、筋損傷の診断及び治療の質的向上を目指した基礎研究
  • スポーツ運動器疾患への臍帯由来間葉系幹細胞活用の検討
  • 力学刺激によるPGE2/NGF/MMP産生機構に注目した変形性膝関節症の病態解明
主に、患者さまにご提供頂いた組織や動物疾患モデルを用いた膝関節内組織(半月板、関節軟骨)に関する
生物学的基礎研究と、運動器エコーの有用性向上を目指した基礎・臨床研究を行っています。 筋・腱・半月板=運動器疾患の診断と治療の改善を目指した基礎研究 画像

金本隆司(スポーツ医学)

巧みな動きの研究

同様の運動結果を異なる動きで可能にするのは多関節運動だからこそ。それが動きの巧みさの違いを生み出し、運動の効率にも影響を与え、さらには、スポーツ傷害・障害の発生要因ともなります。多関節運動ならではの巧みな身体操作や協調性を理解するとともに、スポーツ傷害・障害発生のメカニズムを解明することを目指しています。特に、野球の投球において高パフォーマンス低リスクとなる動作を、肩甲骨の動きから指の動きまでも定量化して、包括的に理解することを目指しています。

巧みな動きの研究 画像

松尾知之(運動制御学)

スポーツ外傷・障害の成り立ちに関する心理認知-バイオメカニクスの包括的研究

スポーツで起こるケガ(捻挫などの突発的な外傷や、野球肘などの慢性的な障害まで)は、不良な“力”が人体組織に作用して生じます。よって、ケガを防ぐためには、その不良な“力”の正体を明らかにする力学研究(バイオメカニクス)が役立ちます。しかし、不良な“力”が生み出される背景には、力学だけでは語れない複雑なリスク構造があることがわかってきました。スポーツ選手は競技環境からの情報を時々刻々と知覚・解釈して意思決定を行い、最終的に動きとしてパフォーマンスを発揮します。この環境知覚や意思決定過程に誤りがあった場合、合理的ではない動作が生み出され、体に負担となり、ケガに至るという事例が数々明らかになってきました。当グループでは、スポーツでのケガをヒューマンエラー(失敗事例)とみなし、心理認知からバイオメカニクスに至る包括的観点からスポーツ外傷・障害の成り立ちを理解し、その予測と予防に寄与する研究を進めています。

スポーツ外傷・障害の成り立ちに関する心理認知-バイオメカニクスの包括的研究 画像

小笠原一生(運動制御学)

運動器の構造・機能に関するマルチスケール・バイオメカニクス研究

「運動器」とは神経・筋・骨格系の総称であり、構成する組織・器官の協調的な連動によって身体運動が実現されます。「運動器を構成する組織・器官の構造」と、「運動器の機能及びヒトの身体運動・行動」の相互作用をマルチスケール(ミクロな構造・機能からマクロな行動まで)な視点で生体力学(バイオメカニクス)に基づき理解することを目的としています。関節内の微細な構造と機能の計測・制御、医用画像によるヒト生体内の可視化、モーションキャプチャ・ウェアラブルセンサによる身体運動・行動の計測など、多様なモダリティを用いて研究を進めています。また、演繹・帰納的の双方から新たな計測・データ解析手法の研究開発も進めています。

運動器の構造・機能に関するマルチスケール・バイオメカニクス研究 画像

近田彰治(運動制御学)

ヒトの感性、イメージ形成メカニズムに関する心理学・人工知能研究

スポーツ選手や芸術家は理想的な動作、風景、顔等のイメージを心的に生成(心的テンプレート)し、そのイメージに体の動きや創作物を近づけるという作業を行います。また、動作・所作や造形の美醜判断は、この心的テンプレートと眼前の視覚情報の類似度をもとに算出されるという仮説:心的テンプレート仮説が提案されています。私の研究では、心理学的実験手法を用いて計測した感性評価データと、深層学習の一種である敵対的生成ネットワーク(GAN)を用いて、心的テンプレートを高精度・フルカラー画像として可視化し、様々な分野において心的テンプレート仮説が成立するかどうかを検証する研究に取り組んでいます。当研究室の独自技術として開発された人工知能による心的テンプレートの可視化技術はスポーツ・運動分野だけにとどまらず、芸術や建築、医療分野への応用が可能であることも明らかとなっています。

こころのなかの「理想的なイメージ(心的テンプレート)」を可視化する技術 イメージ

内藤智之(運動制御学)

Society5.0実現化研究拠点支援事業(2018~)

健康スポーツ科学講座は、大阪大学Society5.0実現化研究拠点支援事業 ライフデザイン・イノベーション研究拠点健康・スポーツプロジェクトに参画しています。「健康・スポーツプロジェクト」では、大阪大学の学生や教職員、地域住民が楽しんでスポーツ活動、安心した生活が送れるためのIoTセンシング技術の開発と、センシングにより得られたパーソナル・ライフ・レコード (Personal Life Records : PLR)をもとにした高度なマイニング技術を創出することを目指します。そのために、「スポーツの怪我の予防や予知のための知的基盤の創出研究」と「熱中症の予兆検知と改善のための知的基盤の創出研究」、の2つのサブプロジェクトを実施しています。

スポーツ研究イノベーション拠点形成プロジェクト(SRIP)(2015~2021)

健康スポーツ科学講座が主体となり(プロジェクトマネージャー 教授 中田研)、スポーツ庁の委託事業であるスポーツ研究イノベーション拠点形成プロジェクト(SRIP)の大阪大学拠点(ジャパン・スポーツ・サイバーフィジカルシステム(JS-CPS)構築研究事業拠点)として、2020 年東京オリンピック・パラリンピックでのトップアスリートの活躍やその後の競技力向上を目指し、スポーツと異分野の融合・連携による独創的で革新的な研究を推進し、次世代の中核を担う優秀な若手スポーツ研究者を育成する事業を実施してきました。

外部資金獲得状況

これ以前は準備中です。

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