レイノー現象|大阪大学 免疫内科

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レイノー現象とは

レイノー現象とはRaynaudが1862年に報告した現象(症状)です。寒冷刺激や精神的緊張によって、手足の末梢の小動脈が発作的に収縮し血液の流れが悪くなり、手や足の指の皮膚の色が蒼白、暗紫になる現象です。冷感、シビレ感、痛みを伴うこともあります。血流が回復すると逆に充血し赤くなります。レイノー症状がひどくなると指先などに皮膚潰瘍を起こすこともあります。

レイノー現象を引き起こす疾患として、原因が明らかでないレイノー病と他の疾患に伴って起こるレイノー症候群に分類されます。

レイノー症候群の原因疾患として以下のような疾患があります。

レイノー症候群の原因疾患として多いのは膠原病で、初発症状として出現することがあります。手指の腫脹(ソーセージ様)や関節炎などの症状を伴う時には、血液検査(抗核抗体や自己抗体)とともに専門医への受診が必要です。レイノー症候群は典型的な症状であれば診断がつきます。場合によっては寒冷誘発試験(氷水で負荷し、色調の変化を観察またはサーモグラフィーで皮膚温の測定)を行なうこともあります。

予防、生活上の注意、治療

予防として冷たい水を使わない、外出時には手袋の使用や懐炉を手放さないなど手足の保温に努めましょう。日頃から寒冷にさらされないよう心がけ、さらに極端な疲労やストレスを避けることも大切です。治療は、原因疾患がある場合にはその疾患の治療が第一です。レイノー症状に対する治療としては末梢血管の拡張や血小板の凝集を抑制する薬剤、血管拡張薬やプロスタグランジン製剤(内服、軟膏、注射)などがあります。

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2014/Dec, 2008/Nov