西出真之 Nishide Masayuki M.D., Ph.D.
略歴
2000年 大阪教育大学教育学部附属高等学校天王寺校舎卒業
2007年 大阪大学医学部卒業
2008年 NTT西日本大阪病院研修医
2010年 NTT西日本大阪病院アレルギー・リウマチ・膠原病内科医員
2012年 大阪大学医学部附属病院免疫アレルギー内科医員
2013年 大阪大学大学院医学系研究科入学
2017年 大阪大学大学院医学系研究科修了
2017年 大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学助教
所属学会
日本内科学会、日本リウマチ学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器学会、日本免疫学会、日本骨免疫学会
資格等
日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、臨床研修指導医、日本リウマチ学会登録ソノグラファー
臨床
大阪大学医学部在学時に、免疫内科のベッドサイド実習で膠原病の患者様と出会った事をきっかけに免疫内科の臨床医を志しました。母校である大阪大学で免疫疾患の診療をさせていただいている事を誇りに思っております。
私は常々、膠原病の診療は、エビデンス(知見)・イマジネーション(想像)・インフォームドコンセント(説明と同意)の三本柱で成り立っていると考えております。まず、医師は統計に基づいた最新の知見やガイドラインを正確に勉強し、把握する事が出発点です。その上で、目の前の患者様にどのような病態が生じているのかを、深く考え、議論し、想像する事が重要です。免疫疾患というものはかくも多種多様であり、既存のエビデンスのみを適応するだけでは太刀打ち出来ないケースが多くある一方で、イマジネーションのみでは的外れで時代錯誤な治療になってしまいます。そして、私が同じく重要視しているのがインフォームドコンセントです。膠原病は長年に渡り患者様を悩ませる疾患が多いため、現在の病状はどうなのか、主治医はどのように考えているのか、を折りに触れて患者様に十分に説明し、納得していただくことが重要であると考えています。これらの三本柱をバランスよく取り入れたオーダーメイドの治療こそが、多彩な病態に患者様と共に立ち向かう術だと信じております。
研究
免疫難病であるANCA関連血管炎の病態について、病気の主因である好中球の過剰な活性化の原因究明を、熊ノ郷淳教授の御指導のもと大学院時代から行っております。その中で、セマフォリン4Dというタンパク質が好中球の活性を制御するブレーキ分子として働き、このブレーキが外れてしまうことが好中球の過剰な活性化、およびANCA関連血管炎の発症に関与している事を発見し、2017年にAnnals of the Rheumatic Diseases誌に報告させていただきました。現在は、これらの成果に基づき、さらに詳細なセマフォリンシグナルの解析と、動物モデルを用いたANCA関連血管炎の病態評価や治療に取り組んでおります。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/imed3/www/data/np_20170418.pdf
また、私は臨床医を経て、30歳を過ぎて初めて研究の世界に飛び込みました。当教室には私と同じく、臨床医の経験を積んでから初めて研究に触れる大学院生も多く在籍しており、また、そのようなキャリアを考えている若手の先生も多くいらっしゃると思います。微力ではありますが、そのような方々に少しでも身近なアドバイスをしてあげられる存在でありたいと思っています。
業績(論文)
Nishide M, Nojima S, Ito D, Takamatsu H, Koyama S, Kang S, Kimura T, Morimoto K, Hosokawa T, Hayama Y, Kinehara Y, Kato Y, Nakatani T, Nakanishi Y, Tsuda T, Park JH, Hirano T, Shima Y, Narazaki M, Morii E, Kumanogoh A. Semaphorin 4D inhibits neutrophil activation and is involved in the pathogenesis of neutrophil-mediated autoimmune vasculitis. Ann Rheum Dis. Online first 2017
Kimura T, Nada S, Takegahara N, Okuno T, Nojima S, Kang S, Ito D, Morimoto K, Hosokawa T, Hayama Y, Mitsui Y, Sakurai N, Sarashina-Kida H, Nishide M, Maeda Y, Takamatsu H, Okuzaki D, Yamada M, Okada M, Kumanogoh A. Polarization of M2 macrophages requires Lamtor1 that integrates cytokine and amino-acid signals. Nat Commun. 7:13130. 2016
Morimoto K, Baba Y, Shinohara H, Kang S, Nojima S, Kimura T, Ito D, Yoshida Y, Maeda Y, Sarashina-Kida H, Nishide M, Hosokawa T, Kato Y, Hayama Y, Kinehara Y, Okuno T, Takamatsu H, Hirano T, Shima Y, Narazaki M, Kurosaki T, Toyofuku T, Kumanogoh A. LRRK1 is critical in the regulation of B-cell responses and CARMA1-dependent NF-κB activation. Sci Rep. 6:25738. 2016
Hirohata A, Hanafusa T, Igawa K, Inoue-Nishimoto T, Mabuchi-Kiyohara E, Nishide M, Yokozeki H, Ikegami R. Oral tacrolimus for the treatment of generalized morphea.
Eur J Dermatol. 26(1):112-3. 2016
Yoshida Y, Ogata A, Kang S, Ebina K, Shi K, Nojima S, Kimura T, Ito D, Morimoto K, Nishide M, Hosokawa T, Hirano T, Shima Y, Narazaki M, Tsuboi H, Saeki Y, Tomita T, Tanaka T, Kumanogoh A. Semaphorin 4D Contributes to Rheumatoid Arthritis by Inducing Inflammatory Cytokine Production: Pathogenic and Therapeutic Implications.
Arthritis Rheumatol. 67(6):1481-90. 2015
Ito D, Nojima S, Nishide M, Okuno T, Takamatsu H, Kang S, Kimura T, Yoshida Y, Morimoto K, Maeda Y, Hosokawa T, Toyofuku T, Ohshima J, Kamimura D, Yamamoto M, Murakami M, Morii E, Rakugi H, Isaka Y, Kumanogoh A. mTOR Complex Signaling through the SEMA4A-Plexin B2 Axis Is Required for Optimal Activation and Differentiation of CD8+ T Cells. J Immunol. 195(3):934-43. 2015
Yamaga K, Hanafusa T, Azukizawa H, Tanemura A, Nii T, Nishide M, Narazaki M, Katayama I. Immune reconstitution inflammatory syndrome in a patient with adult-onset Still's disease: graft-versus-host-like skin reaction with possible asymptomatic human herpes virus reactivation during steroid tapering. Eur J Dermatol. 24(1):101-3. 2014
業績(和文)
西出真之、熊ノ郷淳。 「よくわかる中枢神経血管炎:中枢神経血管炎とは」 Clinical Neuroscience 5月号 Vol. 36 中外医学社 2015
西出真之、熊ノ郷淳。 「第11章:セマフォリン」 サイトカイン・増殖因子キーワード辞典 4月発刊 羊土社 2015
西出真之、緒方篤。 「トシリズマブ」 アレルギーの臨床 12月臨時増刊号 北隆館 2013