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六君子湯によるテリパラチド 誘発悪心治療の作用機序解明

大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 医療科 学技術分野画像科学技術研究室 山本浩一先生との共同研究

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骨粗鬆症に伴う、圧迫骨折の強力な治療薬として副甲状腺ホルモン治療薬(PTH製薬)が知られています。その有用性はすでに確立していますが、投与後の悪心嘔吐などにより投与中止になることが問題となっています。我々は、テリパラチドが誘発する悪心の発症機序の一つとして、グレリン分泌低下に伴う消化管運動機能障害を明らかにし、六君子湯はグレリン分泌促進を介し、消化管運動機能を改善し、嘔気の予防作用を示すことを解明しました。
  1. テリパラチド投与によりOVXラットのパイカ行動(嘔気)が誘導され、六君子湯の予防内服によりパイカ行動は改善した。
  2. グレリン受容体遮断薬の投与は六君子湯によるテリパラチド誘発悪心抑制作用を拮抗して悪心を再燃させた。
  3. テリパラチド投与によって消化管運動機能は抑制されたが、六君子湯によって回復し、改善作用が見られた。また、 この改善作用はグレリン受容体遮断薬で拮抗された。
  4. テリパラチド投与によって血漿活性型グレリン濃度は有意に低下したが、六君子湯によって回復した。
図1 図2 図3 図4 図5
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