オートファジーグループの紹介

上段左から、前田志穂美、松井翔、中村隼、島田直幸、河合秀亮、
下段左から、部坂篤(現 大阪医療センター)、山本毅士、松田潤、酒井晋介。
このほか、難波倫子、高橋篤史(病棟主任)、南聡(遺伝学)、余西洋明、平岡敦子がメンバーです。

阪大腎臓内科では、2006年ころ猪阪善隆教授がヒト腎移植生検組織でオートファゴソーム様構造物を見出したのを契機に、私たちは高畠義嗣先生をグループリーダーとし、腎臓におけるオートファジーの研究を開始しました。今日まで、自然状態、腎虚血再還流およびシスプラチン腎症などの急性ストレス下、シクロスポリン腎症や代謝性アシドーシスなど慢性の代謝ストレス下において、近位尿細管オートファジーが果たす役割について探求してきました。

これまでの約10年の研究で分かってきたことは、様々な腎疾患ストレス下では腎オートファジーが亢進して腎臓を守ろうとしているが、オートファジーの攪乱(疲弊)が生じていて、それが病態の進行に悪影響を与えている、ということです(オートファジーストレス)。オートファジー調節薬による腎疾患治療が私たちの夢ですが、単なるオートファジー亢進薬では解決しないこともわかってきました。しかし各腎疾患におけるオートファジーステータスへの深く理解することにより、オートファジーの研究が疾患治療に応用できる日が近いものと確信しております。