第36回日本軟骨代謝学会 第36回日本軟骨代謝学会

会長挨拶

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第36回日本軟骨代謝学会
会 長 中田 研

(大阪大学大学院医学系研究科 スポーツ医学教室 教授)

このたび第36回日本軟骨代謝学会を2024年2月16日(金)と17日(土)の両日において、千里ライフサイエンスセンター(豊中市千里中央駅下車すぐ)にて開催させていただきます。会員の皆様ならびに関係各位のご支援に心より感謝申し上げます。

今回のテーマは「軟骨を知り、守り、生み出す」とさせていただきました。本学会では、軟骨に関する発生や成長、加齢、変性などの構造上、機能上の生理、病態を『知る』基礎的研究から外傷や加齢、変性などにより生じる軟骨疾患の治療や予防により軟骨を『守る』基礎から臨床にわたる研究、さらに医薬品、医療機器から再生医療まで含んだ様々な治療で、健全な軟骨を『生み出す』ことはもちろん、運動器としての新しい診断、治療、予防法を『生み出す』ことを目指して活動してきたと言えます。本学術集会がその推進にお役に立てるようにとの願いを込めました。

運動器に関わる軟骨は、関節軟骨である硝子軟骨だけでなく、椎間板や半月板、腱・靭帯にもみられる線維軟骨や、弾性軟骨など様々な組織像、特徴があります。研究対象では、分子細胞レベルから組織レベル、関節全体の器官レベル、実験動物やヒト個体やその集団である社会レベルの広い幅があり、これらを組み合わせた研究が進められています。研究手法も、生化学、分子細胞学や組織・病理学などから、in silico、生命科学と情報科学の融合のバイオインフォマティクスなど、様々な研究手法が用いられます。診断では、従来からの画像診断のスタンダードであるX線やMRIから超音波による解析、治療では医薬品、(ハードウェア)医療機器、細胞を用いた再生医療など、さらにはデジタル医療機器(ソフトウェア医療機器)の開発研究も進みつつあります。本学術集会が、軟骨研究において、様々なレベル、研究手法、診断治療で新たな成果が付け加えられ、さらに発展するきっかけとなるのを願っております。

私たちがヒトとして活動的に社会の一員として貢献して生きていくためには関節や脊椎など運動器は重要であり、その運動器組織の動きには軟骨が重要です。人生100年時代とも言われる長寿社会にとって、運動器の活動性を獲得し維持・増進していくための身体活動やスポーツは重要であり、それを実現するための軟骨という観点で世界に、人類に貢献できる研究が進んでいくのを大いに期待したいと思います。
変形性関節症は、このようなグローバルな健康を目指す上でも、また、基礎研究や臨床上の課題を解決していく関節疾患として本学会が果たす役割が重要な疾患と位置づけられます。本学術集会にて、関節軟骨のみならず、半月板や滑膜、軟骨下骨など全関節や全身とのクロストークにも目を向けて、アジア、世界の研究者とのクロストークと共に治療、予防に新たな一歩が付け加えられる企画も楽しみにしたいと考えています。

是非、多くの皆様にご参加いただき活発な討議、意見交換ができますよう教室員、関係者一同力を合わせて鋭意準備を進めております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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