
当研究室では「今の医療技術では治すことのできない難治性の免疫疾患を制御できるようにならないか」という大きな「夢」を持って研究を行っています。
特に、近年患者数が急増しているクローン病や潰瘍性大腸炎に代表される炎症性腸疾患を標的に研究を行っています。炎症性腸疾患は、私たちの免疫系の異常をベースに、腸内環境の異常が相まって発症するものと考えられています。
そこで、私たちの研究室では、①免疫系、②腸内環境因子、③免疫系と腸内環境因子を分け隔てる上皮層の機能を解析しています。



腸管粘膜に存在する自然免疫担当細胞の解析を行い、腸管粘膜固有層に特有の自然免疫担当細胞(CD70陽性樹状細胞、制御性ミエロイド細胞)を同定し、腸管免疫系の制御に極めて重要な役割を担っていることを見出してきています。
これらの腸管粘膜特有の細胞の活性がどのように制御され、またこれら細胞の異常と腸管炎症の発症との関わりを解析しています。
さらに、本学消化器外科、消化器内科との共同研究で、ヒト腸管免疫細胞の解析も行っています。
Immunity 24, 41-51 (2006)
Nature 455, 808-812 (2008)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 109, 5010-5015 (2012).(研究内容紹介)
Gastroenterol. 145, 1380-1391 (2013).(研究内容紹介)
Nat. Commun. 5, 3704 (2014).(研究内容紹介)
J. Exp. Med. 214, 1313-1331 (2017).(研究内容紹介)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (2018).(研究内容紹介)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (2022).(研究内容紹介)
Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (2024).(研究内容紹介)

腸内細菌や食餌成分などの腸内環境因子による腸管粘膜免疫系の機能制御機構を、無菌マウスや様々な成分食を用いて、解析しています。これまでに、腸内細菌に由来するATP、食餌由来のビタミンB9、分子鎖アミノ酸、胆汁酸が腸管免疫系の機能に深く関わることを見出してきています。他にも様々な因子が腸管免疫系に及ぼす影響を解析しています。
PLoS Pathogens 8, e1002714 (2012).
J. Immunol. 189, 2869-2878 (2012).
Immunity 42, 279-293 (2015).(研究内容紹介)
Arthritis Rheum 68, 2646-2661 (2016).
Cell Reports 21, 1824-1534 (2017).
Immunity 47, 1182-1196 (2017).(研究内容紹介)
Nature (2019).(研究内容紹介)
NPJ Biofilms Microbes(2019).
J.Exp.Med. (2022). (研究内容紹介)

