教育について  放射線治療医志望の方へ

異動/転科をご検討の先生へ

Introduction

当科の魅力・研修内容について


放射線治療科は他科からの転科先としても選ばれることの多い、魅力ある診療科です。 また、大阪大学は府内の充実した関連病院を有しており、他大学から大阪に勤務地を移される場合にも魅力的な選択肢となります。 このページでは実際に転科・異動された先生のコメントを掲載しています。

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転科/異動された先生の声

Voice

他の大学から異動された先生

清水 伸一 先生 (招聘教授)


”北海道から大阪へ”


 私が大阪にやって来たのは、まだコロナ禍が収まり切っていない2021年10月のことです。それまで長年勤めた札幌の職場を退職した後、縁あって札幌を離れた診療所で、入院できないコロナ感染患者さんの往診や、「最期は住み慣れた家で」と在宅療養を望まれるがん末期患者さんの診療に携わっていました。そんなある日、往診に向かう車中で受けた一本の連絡から私は大阪へと赴くことになりました。

 30年近く暮らしてきた北海道を離れ、ほとんど縁もゆかりもない大阪・関西での生活や仕事がどんなものになるのか。仕事上で見知った医師や研究者の方々はいたものの、具体的な想像はまったくできずにいました。とりあえず身の回りの荷物をバイクに積み込み、フェリーで舞鶴へ、そして大阪へと向かいました。

 大阪大学のある吹田市は「北摂(ほくせつ)」と呼ばれる地域にあります。実は駆け出しの若い頃、学会で大阪に来た際に、駅の券売機でもたもたしていたら「にーちゃん、はよせんか!」とどやされた経験があり、以来、大阪が怖くてほとんど足を踏み入れてきませんでした。「トラ柄・ヒョウ柄のお母さんにスーパーで行き会ったら、どっち側に避ければいいんだろう?」「エスカレーターは右側に立つのがデフォルトか……」など、色々と心配しなくていい心配をしていましたが、いざ住んでみると環境は穏やかそのもの。北摂地域は特に落ち着いており、関西以外から仕事でやって来た人も多く住んでいるため、非常に馴染みやすい街でした。

 仕事(放射線治療)に関しても、地域や施設特有のおかしな流儀や「お作法」といったものは特段ありません。それぞれの医療機関が歩んできた歴史による多少の段取りの違いはあっても、放射線治療の標準化はここでもしっかりと機能しており、非常に洗練されていると感じました。大阪大学といえば、あの高名な小説『白い巨塔』の舞台。あちこちで蠢く魑魅魍魎、誰の派閥に付くかといった権謀術数の数々……を想像されるかもしれませんが、そんなものはここにはありません(少なくとも、現在の放射線治療科においては全く見えないし、感じもしません)。

 他所から来た私に対しても、慣れない部分は周囲が自然と助けてくれ、とても穏やかで融和的な雰囲気の中で診療や研究に携わることができました。私のように突如大阪とのご縁が生じた者だけでなく、諸事情で一度関西を離れた先生が戻ってきて活躍されているケースも多々あります。外から飛び込んでくる人を温かく迎え入れる土壌が、ここにはあります。大阪、本当にいいところですよ!

一瀬 浩司 先生 (特任助教)


”弘前大学での経験を礎に、大阪大学へ”


 私は弘前大学を卒業後、母校の放射線治療科にて、外照射および小線源治療を幅広く学ぶ機会をいただきました。治療計画や手技を習得するだけでなく、治療に伴う全身管理や患者さんの経過を継続的に診る姿勢を養えたことは、その後の放射線治療医としての歩みを支える大切な礎となっています。

 その後、関西へ帰郷する形で当医局へ入局しました。弘前大学および大阪大学の双方の教授には、異動を快くご承諾いただき、深く感謝しております。また、私自身の家庭環境にもご配慮いただき、業務負担が過度にならない関連施設へ配属していただきました。おかげで、家族や両親の生活基盤を整えながら、新たな環境で診療を継続することができました。

 また、大阪重粒子線センターで勤務する機会を得たことは、私の医師人生において大きな財産となっています。恥ずかしながら、配属のお話をいただいた当初は重粒子線治療の適応についても曖昧な状況でしたが、まずは比較的典型的な症例から経験を重ね、段階的により専門性の高い症例を担当する中で、治療に対する理解を少しずつ深めることができました。 日々のカンファレンスでは、上級医の先生方が担当症例の経過や治療方針を丁寧に共有してくださいます。その積み重ねにより、患者さんへの説明や紹介元の先生方への情報提供についても、自信をもって行えるようになりました。大径の肝細胞癌や骨軟部腫瘍が治療後に著明に縮小していく経過を目の当たりにするたび、重粒子線治療の可能性を実感するとともに、放射線治療医としての大きなやりがいを感じています。

 一方で、重粒子線治療の適応となり得るにもかかわらず、その選択肢が十分に提示されないまま、緩和的な医療へ移行する症例も存在します。実臨床での経験を、同じ放射線治療科の医師だけでなく他科の先生方にも共有し、必要な患者さんに適切な治療選択肢が届くよう努めることが、現在の自分に求められている役割の一つであると考えています。

 また、関連施設では、組織内照射に熟練した医師から直接指導を受ける機会もあります。粒子線治療や組織内照射といった高度な専門性を要する治療を、実際の診療を通じて体系的に学べることは、当医局の大きな魅力の一つだと感じています。

 最後になりますが、大阪大学の放射線治療科は、出身校やこれまでの経歴にかかわらず、それぞれの背景を尊重しながらキャリア形成を支えてくれる、非常に風通しの良い医局だと感じています。入局を検討されている先生方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。

由井 緑 先生 (特任助教)


”関西医科大学から大阪大学へ”

今年度より関西医科大学から出向させていただいております。

 大阪大学放射線治療科は最新の放射線治療機器が揃っており高精度治療を実施する症例をたくさん経験できます。今年で医師12年目ですが施設が違えば経験する症例や照射方法も異なり、日々新しい学びがあり貴重な経験をさせていただいております。現在大学には若手の先生も多くいらっしゃり、治療方針についてお互い気軽に相談されていて、とてもいい雰囲気で診療が行われています。私自身も別病院から移ってきたばかりでまだ戸惑う場面もありますが、ベテランの先生方はもちろん後輩の先生方にも色々助けていただいており、上下気兼ねなく相談できる環境に助けられています。医局には経歴や出身大学も様々な先生が在籍されており、他大学からの出向ですが皆さまに暖かく迎えていただき、新しい出会いの中で楽しく過ごしています。

 大阪大学の医局は出向先がたくさんあるので先生によって今まで経験されてきたことや得意分野が異なり、大学病院ではそんな先生方の様々な知識が集約されることが強みだと感じています。別施設で働いていた私の今までの経験や意見も尊重してくださり、自分らしく新しい知見を吸収させていただいています。

 様々な年代の先生がバランスよく在籍されていて、最近では若手の女性の先生の入局も増えてきており合間の雑談も楽しんでいます。

 幅広い経験ができる医局だと思いますので、興味がある方はぜひ。

他の科から転科された先生

立川 章太郎 先生 (助教・学内講師) 


”血液内科から放射線治療科へ転科して”

 医学生の時に診療科を選択するにあたり、私が考えていたのは「癌の治療に携わりたい」ということでした。三大治療のうち、手術療法なら消化器外科、化学療法なら血液内科、放射線療法なら放射線治療科と漠然と考え、診断から治療まで一貫して行う泌尿器科なども検討していた時期がありました。最終的には血液内科を選択し、京都府立医科大学を卒業後、同種移植で有名であり、かつ新医師臨床研修制度以前から独自にスーパーローテート方式を採用していた愛知県の病院で初期研修・専攻医時代を過ごし、母校に戻って専門医・学位取得まで行いました。

 その後、個人的な事情も重なり、患者さんの全身負担が比較的少なく、かつ治療技術の発展が目まぐるしい放射線治療科への転科を決断しました。私が医学生であった頃、教科書に載っていた分子標的薬はゲフィチニブやイマチニブ、リツキシマブなど限られた薬剤でした。現在ではEGFR-TKI、免疫チェックポイント阻害薬、抗体薬物複合体(ADC)など多くの薬剤が開発され、固形癌においても長期寛解が得られる時代になりました。手術療法も、腹腔鏡手術の普及からダヴィンチに代表されるロボット支援手術の導入へと進み、医学の進展は本当に目まぐるしいものがあります。

 放射線治療科においても同様に、強度変調放射線治療(IMRT)の普及、動体追尾照射などの高精度照射、定位放射線治療(SBRT・SRS)の適応拡大、粒子線治療の進歩、そして核医学領域でもプルヴィクト(177Lu標識PSMA標的薬)に代表される放射性リガンド療法が登場し、さらに近年では免疫療法との併用戦略も注目されるなど、私が転科してからの進展も枚挙にいとまがありません。実際に転科してみて感じるのは、放射線治療科は頭頚部・胸部・腹部・骨盤・中枢神経・血液腫瘍まで、ほぼすべての臓器の悪性腫瘍に携わる、極めて間口の広い診療科であるということです。

 そのなかにおいて、異なるバックボーンを持っていることは、決してハンデではなく、むしろ強みになる場面が多いと実感しています。血液内科で培った経験により、癌患者さんをみるにあたり視野が広がります。他科で腫瘍診療に携わってきた方であれば、その臓器特有の病態理解や外科的視点が放射線治療の治療方針に新たな視点をもたらします。非腫瘍領域からの転科であっても、全身管理やコミュニケーションスキルなど、放射線治療の現場で活きる経験は数多くあります。

 放射線治療医は広く多くの腫瘍の治療に携わる診療科であるからこそ、異分野での経験が、いつかどこかで何かと繋がり、新たな線となって新たな発見や進展を生み出すのではないかと思います。現在、他科で腫瘍診療に携わっている方、あるいは非腫瘍領域でご活躍の方も、ぜひ放射線治療科でその経験を活かしていただき、一緒にこの分野を盛り上げていきましょう。