腫瘍病理ホームページ

謹賀新年

 

昨年はいろいろお世話になりありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。

平成15 年元旦

 


あけましておめでとうございます。

 

昨年は私たちの研究室は開講12年の筋目を迎えて、名実ともに大きな変革を 遂げました。12年間のサイトカインシグナル伝達の研究は、シグナル特異的 欠損レセプターgp130発現ノックインマウスの作成、そしてgp130の点変異によ り誘導されたシグナル異常により、関節リウマチ様自己免疫疾患が自然発症す るという発見にいたりました。これは30年まえに私が医学部を卒業して免疫 学の研究の第一歩を踏み出したときの私の免疫学への思いを現実のデーターと して具現化したものにほかなりません。6年前に日比君、山中君らが中心にな ってはじめたゼブラフィシュの初期発生の研究は、山下君らを中心にして、原 腸陥入における分子基盤の研究、特に細胞の運動、極性の制御機構の研究に発 展しました。またシグナル研究より新たに同定したGabファミリーの研究はマ スト細胞の脱顆粒現象の解明へとハンドルを大きくきりました。さらに研究室 として最大の成果は、gp130シグナル異常における自己免疫疾患発症機構の研 究、Gabファミリーを中心とした脱顆粒の研究、原腸陥入の研究、これら一見 何の関係もないかに見える研究が、実は、サイトカインシグナルによる、MHCクラスII分子などの物質の細胞内移動、細胞極性の決定、細胞骨格の再編成、細胞運動、という細胞生物学全体における魅力的な研究課題のキーワード で密接な関連を有していることが実験結果として具体的な姿を現しつつあると いう点です。そしてバイオロジーとしては、それぞれの研究テーマーが、自己 免疫疾患、アレルギー、からだのかたちつくり、癌転移、再生医学と密接な関 係があると言う点です。

昨年は、村上君という力強い仲間が加わりました。さらに、4月-7月にかけ て大学院生、ポスドク研究員、テクニカルスタッフなど、多くの新しい人が研 究室に新風をもたらしてくれました。4月には生命機能研究科研究科、免疫発 生学教室としてあらたな出発をしました。さらに今年、2003年2月には深 田君が加わります。

2003年、今年は、免疫発生/腫瘍病理教室は大きな変革の年を迎えます。 何かがおこる予感がします。これまでの12年間に貯えたエネルギーが爆発す る年です。時期は熟したと思います。今は、ただ爆発のその時を、Xデーに向 かって、それぞれの人が、それぞれの立場で、それぞれの仕事をやり遂げ、そ れぞれの研究テーマーに向かって驀進するのみです。そして、それらの力が融 合し大爆発がおこる、---そんな予感がする、2003年の幕開けです。

教室のOBも、中嶋君、松田君、改正君、日比君ら、独立して研究室を立ち上げ た人たちの研究室から、今年は朗報が届くことが期待できます。また山中君、 伊藤君、Lee君、深田君、藤谷君、白銀君らの海外組からも、引き続き成果が 論文となって登場することでしょう。

今年は2月には国際免疫シンポジウムを大阪で開催します。理化学研究所の免 疫アレルギーセンターの建物も9月には完成の予定です。2003年は免疫発 生/腫瘍病理の現役とそのOBにとり、変化と爆発の年になることでしょう。

教室員一同一致協力して前進したいと思いますので今年もよろしくご指導、ご 鞭撻のほどお願いいたします。

2003年が皆さまにとって良き年でありますことを心よりお祈り申し上げます。


2003年1月1日

平野俊夫

 

 

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