ネットによる公開討論会”独創的研究とは”

平成12年9月8日ー12月31日(開催期間延長しました)

参加者:研究の専門領域を問いません。学部学生、大学院生、一般の研究者など、学問研究に従事しておられる全ての方。若い方の積極的な参加を期待しています。免疫学会会員以外の方からの参加も大いに歓迎いたします。

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9)黒崎 知博、研究とは自分をかけた壮大なゲームである(2000/09/27)

現在、いい研究(即ち独創的)を行うためには多くの事が要求される。またこのネットによる議論の対象になっている「独創的研究とは」というものも微妙に独創的研究の各研究者の定義、求めているものが違うために平野先生が企画されているものと推察される。

私自身議論がもつれ合うときは常に「できるだけ単純に」「できるだけ基本に戻って」「できるだけ自分の本来欲している内なる心に忠実」に考えるようにしている。その結果、独創的研究は単純ではあるが、やはり周囲の人をびっくりさせるデーターでありconceptである。また、社会的に認知・継承されるために本庶先生の指摘されるように、少なくとも5年出来れば10年〜20年残るデーターであり、conceptであると考える。(勿論多くの人が議論しているように重要な発見に各個人の貢献度をどう測定するかは重要なポイントである。)

そのような研究を行うために必要な資質としては本庶先生は、6C・3Cを挙げられたが、私は周りの人に言っているのは、知力・情熱・技術力である。従って、研究とは自分自身の持つこれらの3つの資質をかけた壮大な知的ゲームに他ならないと考えている。

日本に帰国して5年になるが、個々の点で日本人が外国人(私の場合特にアメリカ人をさすが)に研究のperformanceでひけをとるということは決してなく、それが証拠に免疫研究の質の高さは誰しも認めるところである。しかしながら、決定的に異なると常々感じていることは、この3つの知力・情熱・技術力を常にキープ、またインプルーブする必要があるという認識がアメリカ人に比べると甘いのではないか。このことはプロフェッショナルな研究者になると決意した瞬間(即ち通常の場合大学院生)からインプリンティングされる必要があるのではないか。また、プロとして生きるために常に(教授といえど)、この3つが要求されるのではないか。その点が、どうも日本人の研究者は全体として明確になっていないのでは。逆説的に言えば、その点をしっかり捕まえられた時に我々はより人類の知的財産に貢献できる研究が行えるのではと期待わくわくの毎日である。

 


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