大阪大学脳神経外科講座は1970年に開設されました。
大阪大学医学部での脳神経外科の歴史は古く、講座が開設される前から旧第一外科、旧第二外科のそれぞれの教室で研究・診療は行われており、多くの実績が報告されております。
講座が開設されてからも、多くの人材を輩出し、脳神経外科研究あるいは地域医療に貢献し、この領域の発展に寄与してきました。
また、医学系の他の講座さらに工学系、あるいはそれ以外も含め、多方面に協力関係を築いてきました。
我々現役世代はこのような偉大なるレガシーを誇りに感じております。時代は刻一刻と変容しておりますが、時代をリードするべく、大阪大学脳神経外科を今後も持続的に発展させていきたいと考えております。
講座開設以降、診療面では「その時代の脳神経外科が担うべき業務を幅広くカバーし時代のニーズに応えてその範囲を広げること」を科の方針としております。
その精神をこれからも引き継ぎ、「高度な医療を幅広い分野で提供する」ということをモットーに、従来の脳神経外科の枠にとらわれず、先進的で幅広い手法を開発しそれらを用いて病気にアプローチします。
研究面では自由な発想を絶えず求めております。
脳神経外科医の視点を持ちながら、神経科学、脳卒中、神経再生、脳腫瘍分野など幅広い領域での基盤となる研究を遂行しております。研究の手法についても、医学の枠にとらわれず、数理工学や人文系までの協力を仰ぎながら進めています。
そして、医学や生物学の幅広い領域に跨る横断的な研究、あるいは数理工学に代表される他領域の英知を用いた研究を展開しています。さらに最近では、基礎的な研究に加えて、臨床研究、橋渡し研究なども盛んに行い臨床への還元を目指しています。
臨床からのニーズと研究からのシーズを結びつけるべく、大阪大学の特徴を生かした双方向性の「臨床の視点を持った研究、研究の視点を持った臨床を推進する」を心がけて励んでいます。
我々の教室は時代を追いかけるのではなく、時代をリードし時代を創る「創造する脳神経外科」を目指して参ります。皆様のご支援の程よろしくお願いいたします。