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教授ご挨拶

教授:上田 啓次(UEDA, Keiji)エボラ出血熱どころかデング熱の発生だけでたじろいでいる昨今、思えば、人類は太古の昔からウイルス感染症に悩まされ続けてきました。

そもそもウイルスとは何でしょう?形状から考えると、核酸(ゲノム)がタンパク質に覆われた構造物です。これだけでは何もしませんし、何もできません。しかし、一旦、好みの細胞内へ入ると、まるで機械の様に、遺伝子を発現、ゲノムを複製し、やがて元の形と寸分も違わない構造物となって細胞の外へ出てきます。あるウイルスは、あたかも細胞ゲノムの一つのように、一旦侵入した細胞内に潜み続けます。この不思議なしくみはどのようにして達成されているのでしょうか。

ウイルス学ではよく、“So much Knowledge, So few Antivirals”と言われています。確かに、ウイルス研究100年の間で多くの研究成果が積み上がり、撲滅されたウイルス感染症や治療効果が上げられたウイルス感染症も存在します。しかしながら、これまで人類が踏み込んでいなかった地域への侵入が、新たなウイルスとの遭遇をもたらし、新たなウイルス感染症として人類を脅かす存在になっています。これからも未知の地域への侵入が、新たなウイルスとの遭遇をもたらすことでしょう。ウイルス自体も進化を続け、私たちが考えた抗ウイルス戦略をくぐり抜けているのです。

ウイルスの営みは極めて緻密・精密と思われますが、不可思議で謎だらけです。“So much Knowledge, So few Antivirals”とは、我々の研究が、多種多様なウイルスの“bottle neck”に迫りきってない端的な一言なのです。

ウイルスとの終わりのない戦いが続いています。果たして、この緻密かつ精密なウイルスの戦略を暴き出し、すべてのウイルスを制御できる日は来るでしょうか。さあ、我々とともにウイルスの大きな謎を解き明かし、夢と希望を追い求めましょう。

大阪大学大学院医学系研究科 ウイルス学 教授 上田 啓次

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