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【開催報告】第13回 大阪大学 健康・医療クロスイノベーションフォーラム「がん領域における先端医療」(2024年10月7日開催)

  • 活動実績
  • 2024年11月1日

◆写真:パネルディスカッション「近年におけるがん医療の変革と今後のがん医療のあり方」の様子

【開催日】 令和6年10月7日(月)13時30分~18時20分
【開催形式】ハイブリッド開催(会場参加/オンライン・Zoom LIVE配信)
【開催場所】大阪大学大学院医学系研究科 最先端医療イノベーションセンター 1階 マルチメディアホール
【参加者】 274名(会場参加者:67名、オンライン参加者:207名)

◇プログラム詳細はこちら
◇講演の様子は公式YouTubeチャンネルにて一部公開

 大阪大学大学院医学系研究科・医学部附属病院  産学連携・クロスイノベーションイニシアティブ(以下、XII)では、“関西から、国際展開を見据えた健康・医療分野における研究開発や事業化を強力に推進していく”ことを目的に、大阪大学と様々な事業業態の方々が、企業間・組織間の垣根を越え、協働・共創するクロスイノベーションを創発することを目指し、「大阪大学 健康・医療クロスイノベーションフォーラム」を毎年開催している。

 第13回目となる今回は、2023年に内閣府、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省が「第4期がん対策推進基本計画」(2023年3月)、「がん研究10か年戦略(第5次)」(2023年12月)を策定したことに鑑み、「がん領域における先端医療」をテーマとした。第4期がん対策推進基本計画では、「がん予防」、「がん医療の充実」、「がんとの共生」の3本柱に加えて、ライフステージに応じたがん対策やゲノム医療の推進等が盛り込まれ、国を挙げて、がん対策に係る各種事業が推進されている。
 本研究科においても、新たながん診断、がんへの免疫治療やゲノム医療等の最先端の研究が行われるとともに、医学部附属病院では化学療法部、放射線治療部門、緩和ケアチームを統合したオンコロジーセンターを中心に各診療科と連携して、がん患者に対して最善の医療を提供することを目指している。


◆写真[左:開会挨拶]大阪大学大学院医学系研究科  熊ノ郷 淳 研究科長
   [右:閉会挨拶]大阪大学医学部附属病院  野々村 祝夫 病院長


◆写真:[基調講演]北國 大樹  厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 がん医療専門官

 本フォーラムでは、これら「がん」に関する本学の最新の研究成果や医療現場での最先端の取組み等に関する講演・意見交換を通じて、がんを克服するための今後の課題を抽出し、産官学連携による新たなシーズの創出及び社会実装の方策を検討することを目的として開催した。

 本フォーラムは、本学大学院医学系研究科長の熊ノ郷 淳 教授の開会挨拶に始まり、基調講演には厚生労働省  健康・生活衛生局がん・疾病対策課の北國大樹 がん医療専門官を迎え、「第4期がん対策推進基本計画(がん医療提供体制を中心に)・がん研究10か年戦略(第5次)に係る厚生労働省の施策について」と題して、がん医療を中心に厚生労働省のがん対策推進に係る施策についてご講演をいただいた。一般講演として、アカデミアからは、医学部附属病院  オンコロジーセンター長・がんゲノム医療センター長の島津研三 教授、保健学専攻分子生化学  三善英知 教授、医学専攻小児科学  宮村能子 講師、がんゲノム医療センター/医学専攻消化器外科学  西田尚弘 特任講師(常勤)、保健学専攻急性期・緩和ケア学  荒尾晴惠 教授、医学専攻麻酔・集中治療医学/疼痛医療センター副センター長の松田陽一 講師から、各々、がん診断、がん医療、緩和医療、緩和ケアの領域における最新の研究成果や先端医療の取組みに関するご講演をいただいた。また、産業界からは、XII協働機関の株式会社WuXi AppTec Japan 事業開発アソシエイトディレクターの高崎真理氏に、当該企業における抗がん剤耐性に関する取組みについて発表いただいた。


◆写真:左から[講演1]島津 研三 教授、[講演2]三善 英知 教授、[講演3]宮村 能子 講師、[講演4]西田 尚弘 特任講師


◆写真:左から[講演5]荒尾 晴惠 教授、[講演6]松田 陽一 講師、[講演7](株)WuXi AppTec Japan 高崎 真理 アソシエイトディレクター

 続いて、パネルディスカッション「近年におけるがん医療の変革と今後のがん医療のあり方」では、講演1~7の講演者7名をパネリストに迎え、XIIワクチン研究開発拠点担当の西田純幸 特任教授(常勤)及び岡田 潔 オフィサーを座長として、新しいがん医療が展開されていく中で、がん予防、がん医療、がんとの共生等のがん領域において、医療における産学連携を推進してくために、医療側と企業側双方それぞれが求めることは何かを論点に活発な議論が展開された。

 最後に、医学部附属病院長の野々村祝夫 教授から閉会の挨拶があった。がん医療をはじめとする高度かつ良質な医療の提供及び社会・地域医療への貢献の継続・発展を目指し、2025年5月には、中央診療機能、外来機能及び一部病棟機能を現在建築中の「統合診療棟」に移して開院することが言及された。
 また、フォーラム終了後は、銀杏会館2階銀杏クラブにおいて名刺交換会・情報交換会を開催し、講演者を含め本学の教員・研究者やXII連携機関間の研究交流が行われ、産産・産学連携に繋がる契機となった。
 今回のフォーラムは、オンライン参加を含め合計274名の参加者を得て、がん領域における先端医療の研究成果・取組みを広く発信するとともに、がん領域における産学連携の推進にあたっての課題や今後の展望を共有し、成功裏に終えることができた。