MESSAGEメッセージ

大学と多様な機関が一体となった
新しいイノベーションの創造

近年、社会・経済の活力を高めるために「健康寿命の延伸」の必要性が強調され、政府の方針としても「健康・医療戦略」に基づく予防・健康管理の取組が推進されています。これらを実現させるためには、疾病を治すのみならず、健康を維持し疾病を予防するために、従来の医療よりもはるかに広い範疇の企業の参画が必要とされるようになってきています。

また、今後の医療のあり方も、society 5.0という概念に代表されるような仮想空間と現実空間を高度に融合させる方向に進化していかねばなりません。そのためにはAIの活用や遠隔医療の発展が必要ですが、それらを支える確かな「モノづくり」も劣らず重要であると考えます。大阪大学大学院医学系研究科・医学部附属病院 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブは、2015年12月の設立以来、このような社会的課題への挑戦などを目的として産学連携を推進しています。

知の宝庫である大学にはイノベーションを創出する健康医療分野の研究成果が多く存在しています。しかしながら従来の産学連携では、これらの研究成果を革新的なイノベーションの創出や実用化に繋げることは非常に困難でした。そのため大学と多様な機関とが、互いのニーズやシーズに沿ったオープン(クロス)イノベーションを創造する仕組みを作ることが重要な課題であると考えております。

産学連携・クロスイノベーションイニシアティブは、金融、製薬、電機、建設、IT・広告、および行政等の多様な機関と包括連携協定を締結、または「協働機関」として参画してもらうことで、協働して事業活動を推進する仕組みを作っており、様々な研究開発活動や協業事業の企画立案に取り組んでいます。

万博が2025年に大阪で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催され、未来の社会のあり方を議論するプラットフォームとなり、それと期を同じくして大阪大学医学部附属病院の統合診療棟のオープンも予定されています。大阪大学や大阪が未来の医療を牽引できるように、産学連携・クロスイノベーションイニシアティブが大学院医学系研究科および医学部附属病院と行政、多様な企業・団体とを繋ぎ、これらが一体となって研究開発を推進することで、新しいオープン(クロス)イノベーションを創造していきたいと考えております。

今後も引き続き、関係各位のご指導・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

  • ディレクター
  • 藤本 学 教授
  • FUJIMOTO Manabu