現在教室には免疫、内分泌、周産期、病理の4つの研究グループがあり、研究の創造性、国際性をモットーに総勢40-50名で研究を行っています。

免疫研究室

  • 着床前診断検査(PGT-A)、流死産絨毛染色体検査(POC-NGS)、非侵襲性着床前診断法(Ni-PGTA)、cffDNAを用いた新規流死産絨毛染色体検査の検討
  • 内因性炎症制御因子や抗酸化剤による卵巣機能改善、妊娠制御(早産・着床など)の検討
  • 不妊症・不育症に関与する遺伝子群の検討
  • 卵子・卵母細胞系統におけるミトコンドリアの維持機構の解明
  • 新規排卵誘発方法がreproductive outcomeに与える影響の検討
  • 新規赤血球凍結乾燥技術の確立
など
生殖分野を中心に、妊娠に関連する研究テーマが主軸になっています。基礎の研究室や企業と連携し、様々な臨床研究〜基礎研究を行っています。臨床面では、生殖医療のみならず、それに付随する生殖外科、婦人科腫瘍学、周産期医学など、産婦人科のどの分野の患者にも対応できるよう、常に最新かつ最善の医療を意識しながら、研鑽を積んでいます。
専門外来としては、生殖医療センターを担当しています。

内分泌研究室

  • 卵巣癌の腹膜播種のメカニズムの解析と新規治療法の開発
  • 子宮頸がんの増悪因子の解明と新規治療法の開発
  • 骨髄由来抑制細胞に焦点を当てた子宮頸がんの治療法の開発
  • 子宮内膜症、子宮筋腫などの新しい分子標的治療の検討
  • 早産のサイトカインに着目した新治療法の開発
当研究室では、上にあげた産婦人科に関わる研究テーマに対して、分子機構の解明をおこない、それを標的とした新治療法の開発につながる基礎研究を研究室員一同で取り組んでいます。臨床面では、健康維持外来、思春期外来、UAE 外来を担当し、女性のホルモンに関わる様々な疾患に対して、最新のEBM に基づいた診療を行っています。

周産期研究室

  • 早産の予防
  • 妊娠高血圧症候群の治療と管理
  • 胎児疾患の診断と管理
  • 胎児疾患の胎内治療
臨床的研究として、早産の予防および妊娠高血圧症候群の予知に関する多施設共同研究ならびに生理学的パラメーターを用いた妊娠高血圧および分娩管理に関する研究を行っています。基礎研究としては、動物実験モデルを用いた胎仔脳障害の発生メカニズムに関する研究や、骨髄間葉系細胞移植による胎児免疫寛容の誘導および妊娠高血圧症候群の治療に関する研究を行っています。

病理研究室

  • 婦人科腫瘍の病理診断
  • 希な腫瘍の遺伝子診断
  • 子宮頸部初期病変の基礎的および臨床的研究
  • 婦人科腫瘍の抗癌剤耐性機序の解明
病理研究室は治療の出発点となる病理診断の知識を習得し、産科婦人科の全病理標本について病理部とともに診断をしています。また専門外来として子宮頸部初期病変の診断・治療を行う腫瘍外来(月曜午前)を担当し、毎週、コルポスコープ診・生検を行っています。
基礎研究では、治療上問題となる悪性腫瘍の抗癌剤耐性の機序を解明し治療に役立てることを目標に研究を行っています。また、予後不良な希少腫瘍に関しては治療の標準化が困難であり、個々の症例を詳細に検討し治療の突破口を探る必要がありますが、現在は子宮頸部小細胞癌・子宮体部大細胞癌・子宮体部肉腫に焦点をあてて、癌遺伝子・癌抑制遺伝子・癌関連遺伝子の異常を蛋白質及び遺伝子レベルで系統的に解析し、癌化に関連した遺伝子変化を解析しています。