近年急増している乳がん手術症例に対する乳房再建術を古くから行っており、その症例数は関西でもトップクラスです。
最近保険適応となった乳房インプラントを始め、自家脂肪組織を用いた方法(皮弁法、注入法)、乳房縮小術を応用した方法、
3Dイメージング・プリント技術の応など、多様な手法を駆使して患者さんの生活の質を向上するQOLサージャリーを目指しています。
大阪大学附属病院では、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、消化器外科、脳神経外科のアクティビティーが高く、
進行がんに対しても積極的に外科治療を行っています。
その結果、形成外科による再建が必要となる症例が多くあり、各科と協力して手術を行っております。
これらの分野では日本有数の実績を誇っています。
2007年から血管腫・血管奇形の専門外来を設け、これまで診断の難しかった先天性血管奇形の治療に取り組んでおります。
病変血管のCT画像を解析してつながりの異常な部分を数学的にあぶり出したり、圧縮縫合することで切らずに異常血管のみを
消滅させたりといった阪大形成外科オリジナルな手法の開発も盛んで、日本全国から症例が集まってきております。
ベル麻痺やハント症候群などによる顔面神経麻痺の後遺症に対する外科的治療(動的・静的)を積極的に行い、
患者さんのQOL向上を目指しています。
また、外傷や手術による顔面神経損傷に対する神経再建術も数多く行っており、
当科で開発・発表した神経過誤支配の少ない再建法を用いることでその治療成績は飛躍的に向上しております。
多指(趾)症、合指(趾)症、口唇口蓋裂、漏斗胸、小耳症、眼瞼下垂などの治療を行っています。
先天異常は、手術後も成長とともに機能的,整容的変化が伴ってきます。
患者さんのQuality of Life(生活の質)を常に高いレベルに維持するため、
患者さん一人ひとりを長期にわたり他科とも協力しながら診療しています。
縦隔洞炎、褥瘡、下腿潰瘍などの難治性潰瘍に対しても皮弁や持続陰圧吸引療法を応用して高い治療成績を上げております。
また、当科で開発した耳介皮膚を利用した遊離植皮術による難治性潰瘍は世界的にも高い評価を得ております。
国内初の重症救急専門施設として開設された、大阪大学医学部附属病院の高度救命救急センターは国内でも有数の施設です。
ドクターヘリも常時運航され、顔面多発外傷、重度熱傷、切断指(肢)など高度で専門的な治療が求められる症例を
広く受け入れています。
当科ではそのような重症症例に対しても対応できるよう、常に救命センターと連携をとって治療を行っています。
眼瞼下垂や眼瞼内反症は頻度の高い疾患ですが、腱膜固定術など通常の術式から、
皮弁術など当科独自の治療まで駆使し治療に当たっております。
下肢静脈瘤抜去切除術や血管内レーザー焼灼術、薬剤を用いた硬化療法など下肢静脈瘤にはたくさんの手術術式がありますが、
当科では疾患に応じてどの術式も施行可能であり、高い治療成績を上げております。
この分野では、世界的に評価される新治療法も開発し、患者さんのQOLの向上に貢献しております。
顕微鏡を用いて径0.5mmほどのリンパ管と静脈の吻合を行うリンパ管静脈吻合術は、
スーパーマイクロサージャリー技術を用いて行われます。
乳がんや婦人科疾患の手術後や外傷などで発症する上肢や下肢のリンパ浮腫に対して手術が行われ、
院内だけでなく他院からの紹介も多く、良好な成果を上げています。