本研究開発の最終目標は、進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy:PSP)の症状進行を緩和し生存期間を延長する分子標的治療薬の開発を行い、臨床応用を実現することである。PSPは、中年期以降に発症し、淡蒼球、視床下核、小脳歯状核、赤核、黒質、脳幹被蓋の神経細胞が脱落し、異常リン酸化タウ蛋白が神経細胞内及びグリア細胞内に蓄積する疾患である。神経学的には、易転倒性、核上性注視麻痺、パーキンソニズム、認知症などを特徴とする。発症の原因は不明であり、効果的な治療法は未確立である。
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