腫瘍病理ホームページ

あけましておめでとうございます!

昨年はいろいろお世話になりありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。

平成10年元旦


昨年はいろいろなことがありましたが、研究室としては完全に基礎が固まったと思います。腫瘍病理教室も8年めにして、やっと世界のサイエンスに貢献できる仕事が可能なまでに成長したと思っています。私としては、設立当時のいろいろな困難な状況を考えると、よくもここまで来たものだ!という思いで感無量です。これも皆様方のご支援のおかげと心より感謝いたしております。

今年は大阪府立羽曳野病院で、1978年にインターロイキン6の研究を開始して以来20周年の節目を迎えます。今年もインターロイキン6をモデルに、細胞の増殖、分化、死の細胞内シグナル伝達機構の研究を精力的に行います。今までの培養細胞中心の研究に加えて、マウスやゼブラフィシュを使用した生体内での研究を積極的に推進する予定です。またSTATの活性化に関与しているキナーゼの精製やその生物学的意義のさらなる追及を目指します。またBST−1の研究も昨年末に一応の結論がでたBST−1ノックアウトマウスを使用した研究成果をいかしつつ、CD38とBST−1のダブルノックアウトマウスの作成や、BST−1のリガンドの遺伝子クローニング、BST−1を介するシグナル伝達機構とその免疫学的、生物学的意義の解明、および慢性関節リュウマチの病態にいかに関与しているかなどの問題を中心に展開する予定です。また神経初期発生や発生一般に関与する分子の研究も、新たなる発展を図ります。この分野の研究は腫瘍病理教室の次の大きな研究課題になるはずです。今までのインターロイキン6を中心としたサイトカイン研究を踏まえつつ、教室が大きく飛躍するための中心的な研究課題にしたいと考えています。

このように細胞の増殖、分化、死の分子機構をあらゆる角度から観ることによって、生物学における一つの普遍的な原理原則の発見に迫りたいと思っています。では今年もよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願いいたします。

1998年が皆さまにとって良き年でありますことを心よりお祈り申し上げます。

1998年1月1日

平野俊夫 

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