1. 学部学生教育
当教室は、学生研究室配属の受け入れを積極的に行い、5年次学部学生に対して研究指導を行っています。学生のやりたい事、学びたい事を最大限に尊重し、その希望に応じて各研究グループに配属、3か月間親身の研究指導を提供しています。
指導実績
呼吸グループ:指導教官 吉田健史
- 2020年度 「肺リクルートメント手技の比較」
- 兎ARDSモデル作成後、様々なリクルートメント手技を行いその効果・合併症を比較・検討した基礎実験 - 2021年度 「EITを用いたPEEPが換気に及ぼす効果の評価:自発呼吸なし vs. 自発呼吸あり」
- EIT (Electrical Impedance Tomography)という最新のLung Imaging Toolを用いて人工呼吸器設定を変化させた時の換気分布を視覚化した臨床研究
腎グループ:指導教官 井口直也
後ろ向き観察研究を中心に行っています。
- 2020年度(1名):膵移植後ICU管理
- 2021年度(2名):急性腎傷害(尿中酸素分圧持続測定)、重症COVID-19患者の高Ca血症、小児集中治療患者の高Ca血症、全身麻酔薬と術後せん妄
2. 大学院生教育・募集
呼吸グループ
「挑戦心」を育む大学院生教育
「従来の常識を破壊するアイデアを自ら創出することができる」を最終目標において4年間の大学院教育を行います。研究を通して、予期しないことが起きた時にまず「自分でやってみる」という挑戦心を育てます。そしてその失敗プロセス・成功プロセスを積み重ねることで、「自分の向かうべき方向に自信をもって進むことができる」、そんなClinician-Scientistに成長してもらいたいと考えています。
我々にしかできない教育・研究内容
我々は、長い歴史と伝統を誇る研究グループです。あらゆる最先端の研究設備 (CT、EIT、血液ガス分析機、EAdi測定機器、食道内圧測定機器、横隔膜神経刺激装置、様々な人工呼吸器など)に加えて、長年培った研究手技で「我々にしかできない」研究を行うことができます。下図の通り、大学院生の具体例をご紹介します。まず、大学院生1年次では、既に進行している臨床研究に参加・データ収集を行うことで、臨床研究進行のノウハウを学びます。同時に、自ら実施する臨床研究計画を立案・プロトコール作成・倫理委員会の承認手続きを行い、2年次からスムーズに臨床研究を開始できる準備を行います。また、基礎実験の開始準備・仮説検討・プロトコール作成を行い、2年次から本格的に基礎実験を開始します。大学院卒業時までには、複数の臨床研究及び基礎研究を終えることを目標にしています。さらに、年間20編以上1流雑誌の論文を読み、Major comments、Minor commentsをまとめるreviewerの模擬訓練を行うことで、仮説検証能力・プロトコール作成能力・論文作成能力を高めていきます。

留学
カナダ、トロント大学集中治療部門と講座間協定- Research Partnership Agreementを締結しています。希望者には、積極的に留学先の斡旋を行います。
その他
藤野教授や学外の研究協力者を交えた定期的なカンファレンスを行っており、すべての研究プロジェクトを綿密に議論していきます。当グループの大学院生は、週1回以上外勤に行っていますので生活面での心配はないと思います。また、国際色豊かなラボメンバーでお互いを助け合う、非常によい雰囲気で日々の研究に励んでいます。
手術麻酔中の呼吸管理、ICUでの呼吸管理に興味のある方、是非一緒に頑張りましょう!一人で研究をするわけではありません、周りの仲間が必ず助けてくれます。
連絡先
吉田健史
大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔・集中治療医学教室
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
E-mail: takeshiyoshida@hp-icu.med.osaka-u.ac.jp
腎グループ
達成目標(概略)
1年目:研究計画の立案、準備。観察研究の実施、国内学会発表。依頼原稿の執筆。
2年目:国内学会、国際学会での発表。前向き研究、介入研究の実施。
3年目:研究の実施、論文作成、投稿。
4年目:論文受理、研究費応募、海外留学の準備。
研究ミーティング
週1回はface to faceでミーティングを行い、大学院生の希望や今までの研究経験も考慮しながら、基礎研究・臨床研究の組み合わせを含め、研究計画を各人にとって最適化していきます。
海外留学
海外留学先の紹介を行います。オーストラリア・メルボルンの研究機関、病院を中心に、腎臓・麻酔に関する研究施設を紹介、留学を支援します(基礎研究・臨床研究どちらも紹介可能です)。
グループ運営方針
自分自身が今まで得た研究ノウハウを全てお伝えします。研究の発案から実際の実行段階に至るまでの準備、予算の獲得、研究の実施、論文作成を指導しながらともに行い、学位取得はもちろん、将来自分自身で研究を実施・マネージメントできるようにします。夢を共有しながら、苦しみは半分、喜びは倍になるような研究グループでありたいと考えています。
連絡先
井口 直也
大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔・集中治療医学教室
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
E-mail: iguchi@hp-icu.med.osaka-u.ac.jp
論文執筆や研究を全くしたことがない先生でも、最初から指導しますので大丈夫です。
ペイングループ
当グループでは、神経生理学を中心としたアプローチで痛みのメカニズムの研究を行っています。ペインクリニックの外来を経験しながら基礎研究を行うことも可能です。臨床で疑問に感じたり、治療に行き詰ったりすることを解明し、新たな治療戦略に結び付けられることが私たちの目標です。また、基礎研究室とコラボレーションし、研究に必要な知識・技術を習得することも可能です。大学院生活をどっぷりと研究に浸りたい方も、臨床も研究もどちらもやりたいという方も、それぞれの希望を考慮しながら研究テーマを決定し、進めていきます。
連絡先
松田 陽一
大阪大学大学院医学系研究科 生体統御医学講座 麻酔・集中治療医学教室
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
E-mail: yo-ma@anes.med.osaka-u.ac.jp