血液検査部門 <血液検査室>

血液検査室とは?

血液は通常の成人において体重の約8%を占めています。また、心臓・血管系の中を循環する液体であり、
赤血球・白血球・血小板などの血球成分と血漿の液体成分で構成されています。 当院血液検査室では血球算定(赤血球・白血球・血小板の数、及びヘモグロビン量・ヘマトクリット値などの測定)、白血球分類の他、様々な血液疾患の病態解析、経過観察、治療効果などの判定に役立つ、さらに詳しい検査を行っています。

測定項目

血球算定(赤血球数・白血球数・血小板数・ヘモグロビン量・ヘマトクリット値・MCV・MCH・MCHC)
網赤血球
白血球分画(好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球)
赤血球沈降速度
フローサイトメトリー
骨髄検査

代表的な検査項目の説明

血球算定

赤血球(RBC):肺から酸素を受け取り、全身の組織へ供給し、組織が排出した二酸化炭素を肺へ運搬します。
白血球(WBC):体内に侵入した細菌やウイルスから身体を守る働きをしています。
血小板(PLT):血液を固める役割をしています。
ヘモグロビン(Hb):赤血球に含まれており、酸素運搬において重要な役割を果たしています。
ヘマトクリット値(Ht):血液中の赤血球の割合を示します。
MCV・MCH・MCHC:赤血球の容積、ヘモグロビンの量や濃度をあらわし、貧血の指標となります。

網赤血球(Reti)

赤血球になる一つ前の段階のもの。赤血球産生能を推定します。

白血球分画(末梢血)

全ての白血球数に対する顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)・リンパ球・単球の割合を表します。
白血球は主に5種類に分類されますが、様々な病気に反応してこれらの5種類の白血球の割合のバランスが崩れたり、形態に異常をきたすことがあります。

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赤血球沈降速度(血沈)

赤血球が試験管内を沈んでいく速さをみる検査。炎症・貧血・栄養状態などの目安になるため、初診時のスクリーニング検査、慢性疾患の経過観察などで行います。

フローサイトメトリー

リンパ球は顕微鏡で見る限りでは大きさの違いはあってもそれ以外のことはわかりません。リンパ球はいろんな働きをしており、その細胞膜には細胞固有の目印となるタンパク(表面抗原)が存在します。そのタンパクに特異的に結合する蛍光色素(抗体)で細胞を光らせます。蛍光色素をつけた細胞にレーザーを当てた時に細胞からでる光の強さを統計学的に解析することでリンパ球を細かく分類することができます。

骨髄検査

骨髄は血球生成の主要な臓器です。骨髄検査は骨髄穿刺で得られた骨髄液を用いて造血細胞の分類や形態を調べることによって、貧血や白血病など種々の血液疾患の診断や経過観察、治療効果判定を目的としています。

測定機器

自動血球分析装置と目視

当院の血液検査は、外来と病棟を合わせると約1000件前後の検査依頼がありますので、自動血球分析装置(6台)で測定しています。白血球の分類も自動血球分析装置で測定をしていますが、医師からの依頼や、必要と判断されたものは塗抹標本作製装置(2台)で血液をスライドガラスに薄く塗抹(塗りつけること)し染色して、臨床検査技師が目視を行っています。目視とは、顕微鏡で白血球の形態を直に視ながら細胞を分類することです。顕微鏡で視ることで、赤血球・白血球・血小板の形態を直にチェックすることができ、より、正確で細かな結果を患者さんにお返ししています。

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