臨床化学検査部門 <内分泌・腫瘍マーカー検査室>

内分泌・腫瘍マーカー検査室とは?

汗をかくことや、消化管に消化液を分泌することを外分泌と呼びますが、それとは異なり、血液中に直接分泌することを内分泌と呼び、内分泌で分泌する物質をホルモンと呼んでいます。一方、腫瘍マーカーとは、一言で言うと腫瘍から分泌されるタンパク質のことで、この値を調べることで腫瘍の大きさ、転移、再発の有無などの変化を推測することができます。ただし、腫瘍によっては分泌されないこともあり、その特徴は様々です。内分泌・腫瘍マーカー検査室では、このようなホルモンの検査と共に腫瘍マーカーを主に測定しています。今日では国民病といわれる糖尿病や2人に1人発病するといわれる癌などに関連した検査をしています。

測定項目

内分泌系項目

TSH、FT4、FT3、TgAb、TPOAb、TRAb、BNP、PTH、ビタミンB12、葉酸、DHEA-S、インスリン、Cペプチド、LH、FSH、プロラクチン、フェリチン、テストステロン、エストラジオール、ACTH、NT-ProBNP、成長ホルモン、活性型レニン濃度、アルドステロン、コルチゾール、トロポニンT、TARC

腫瘍マーカー

サイログロブリン、PSA、PSA F/T比、SCC、PIVKA-II、CA15-3、CA125、CA19-9、CEA、AFP、ProGRP、シフラ、HCG、尿HCG、NSE、AFP-L3、乳頭分泌液中CEA、M2BPGi

代表的な検査項目の説明

インスリン、Cペプチド、尿中Cペプチド

これらは膵臓から分泌されるホルモンで一部は尿に排泄されるため尿も検査対象となります。インスリンは血糖値を下げるホルモンで、肝臓・筋肉などでのグリコーゲンの合成、筋肉・脂肪組織へのグルコースの取り込みやタンパク質合成を促進します。検査することにより、糖尿病の診断、1型や2型糖尿病の鑑別や治療薬の有効性などを血糖関連項目と共に診療に用いられます。

TSH、FT4、FT3、TRAb、TPOAb、TgAb

これらは甲状腺機能低下症や亢進症の診断、治療効果の判定に対して用いられます。甲状腺は喉仏の少し下にあって、蝶が羽を広げたような形で、10~20gの臓器です。甲状腺からはサイロキシン、トリヨードサイロニンという甲状腺ホルモンが分泌されています。これらのホルモンは、成長ホルモンの合成を促進したり、アドレナリンの作用を増強したりと全身の新陳代謝と深く関係しています。

下図に示す臓器と関連するホルモンや分泌物質を測定することで、全身のホルモンバランス、各臓器の機能、造血やアレルギーに関する情報を数多く得ることができます。

naisyu_a naisyu01 naisyu02

腫瘍マーカー

それぞれの腫瘍マーカーがどのような癌と関連しているか、下図で簡単に示します。図のように、1つの腫瘍マーカーで複数の癌に関係するものや、ある特定の癌でのみ測定値が変化するものなどその特徴は様々です。
(注)腫瘍マーカーは悪性腫瘍だけではなく良性疾患でも上昇することもあります。そのため、腫瘍マーカーの結果について気になることがございましたら必ず医師にご相談ください。

naisyu_b naisyu03 naisyu04

測定機器

検査項目ごとに最適な分析装置の使用

当検査室では7機種、合計11台の自動分析装置を使用して検査を実施しております。
検査項目ごとに最適な分析装置の使用: 1つのオールマイティな分析装置で全ての検査項目を測るのではなく、それぞれの検査項目に対してより最適な装置や測定試薬を使用しております。当検査室では検査項目ごとに測定装置や試薬の性能などを検討した結果、計7機種の装置を導入しています。

naisyu05 naisyu06

ページトップへ