各種受賞

 

日本医師会医学賞

澤 芳樹教授が日本医師会医学賞を受賞しました

澤 芳樹 教授(心臓血管外科学)が、平成28年度日本医師会医学賞を受賞しました。11月1日に東京都内で受賞式が行われました。

日本医師会医学賞は、日本医師会会員で医学上重要な業績をあげた研究者に授与されます。澤教授は"重症心不全に対する世界初の心筋再生医療製品「ハートシート」の開発"が評価され、受賞しました。

<澤教授のコメント>
細胞の培養方法、細胞シートの作製、投与方法の適正化、トランスレーショナル・リサーチ、臨床研究など、製品化までに様々な苦労があり15年かかりました。その流れの中で、再生医療製品に関する法律が変わるなど良い風が吹き、実用化が加速しました。この度、この業績を評価していただき、大変光栄に存じます。


磯 博康 医学系研究科 教授 平成27年度日本医師会医学賞を受賞

2015年11月01日(日)

「生活習慣病のリスク要因解明と予防対策の評価に関する公衆衛生学的研究」

医学系研究科社会医学講座の磯博康教授が、平成27年度日本医師会医学賞を受賞しました。
日本医師会医学賞(Medical Award of The Japan Medical Association)は日本医師会会員で、医学上重要な業績をあげた研究者に授与されます。磯教授の受賞テーマは、「生活習慣病のリスク要因解明と予防対策の評価に関する公衆衛生学的研究」です。今年は他に、基礎医学部門から岩井一宏教授(京都大学)、臨床医学部門から藤田敏郎教授(東京大学)、笹子三津留教授(兵庫医科大学)が受賞されました。

磯教授は、一般成人住民を対象として生活習慣病予防を推進するため、そのリスク要因を大規模なコホート研究により解明するとともに、地区医師会や自治体の協力の下で、健診による高血圧者の早期把握、保健指導による生活習慣の改善、医療機関への受療勧奨と薬物治療を組織的・長期的に進めることで、脳血管疾患の発症率や有病率の低下につながることを、対照地域を設定した地域介入研究により立証しました。そして同地域における予防対策の費用分析を行い、対策開始から10年以降に対照地域に比べてより費用対効果が優れていることを明らかにしました。また、地域において大規模なコホート研究(CIRCS研究、JACC研究、JPHC研究等)により、生活習慣病のリスク要因の解明を進めてきました。中でも欧米では検討が困難な研究テーマを精力的に追及し、新しい疫学的エビデンスの構築に貢献しました。これらの成果は、循環器疾患に関する診療ガイドライン(循環器疾患予防のための中性脂肪、HDLコレステロールの基準値、魚や乳製品摂取の推奨)に掲載され、日常臨床でも活用されています。また、わが国の特定健診・特定保健指導に関するエビデンスとして、非肥満者のリスク要因保有者の健康問題を浮き彫りにし、健康日本21(第2次)や保健指導施策の見直しに大きく貢献しました。

森 正樹 医学系研究科 教授 平成22年度日本医師会医学賞を受賞

2010年11月01日(月)

「消化器癌幹細胞の臨床的意義」

医学系研究科外科学講座の森 正樹教授が、平成22年度日本医師会医学賞を受賞しました。
授賞式は、平成22年11月1日(月)日本医師会館で行われました。
日本医師会医学賞(Medical Award of The Japan Medical Association)は日本医師会会員で、医学上重要な業績をあげた研究者に授与されます。毎年、基礎医学・社会医学・臨床医学を通じ計3名に授与されます。

森 正樹教授は消化器外科医として診療と教育にあたる一方、難治性消化器癌の治療法開発研究にあたっています。癌がなぜ難治であるかとの問題に癌幹細胞の概念を導入し、研究を推進しています。現在までにヒト大腸癌、肝臓癌を始めとする消化器癌に癌幹細胞が存在することを世界で初めて示し、これらは腫瘍形成能、多分化能、抗癌剤耐性能を示すことを明らかにしました。肝臓癌、大腸癌の癌幹細胞の特異的マーカーをそれぞれに同定し、これを治療標的とすると、従来より格段に治療成績が上がることを示しました。さらに、癌幹細胞にiPS遺伝子を導 入すると癌細胞の類正常化が起こることより、癌の新規治療法の一つになる可能性を示しました。これらの成果は消化器癌の治療にブレイクスルーをもたらすことが期待されるため、平成22年度日本医師会医学賞を授与されることになりました。

米田 悦啓 医学系研究科/生命機能研究科 教授 平成21年度日本医師会医学賞を受賞

2009年11月01日(日)

「核―細胞質間蛋白質輸送機構の解明と高次生命機能研究への展開」

医学系研究科生化学・分子生物学講座/生命機能研究科細胞ネットワーク講座の米田悦啓教授が、平成21年度日本医師会医学賞を受賞しました。
授賞式は、平成21年11月1日(日)日本医師会館で行われました。
日本医師会医学賞(Medical Award of The Japan Medical Association)は日本医師会会員で、医学上重要な業績をあげた研究者に授与される。毎年、基礎医学・社会医学・臨床医学を通じ計3名に授与されます。

米田教授は基礎医学部門での受賞であり、受賞テーマは、「核―細胞質間蛋白質輸送機構の解明と高次生命機能研究への展開」です。また、本年は、社会医学部門としては、岸玲子教授(北海道大学)が、臨床医学部門としては、波利井清紀教授(杏林大学)が受賞しました。
本学関係の受賞者としては、岸本忠三前総長、垂井清一郎名誉教授(平成2年)、北村幸彦名誉教授(平成6年)、松澤佑次名誉教授(平成12年)、谷口直之名誉教授(平成13年)、平野俊夫医学系研究科長(平成17年)らが名を連ねており、米田教授は12人目です。

米田教授は、核―細胞質間蛋白質輸送メカニズム研究における世界の第一人者として、importin alpha/betaなどの核輸送因子の発見など、医学史に残る重要な発見や、新しい概念の提唱などを通して、核蛋白質輸送の基本メカニズムの理解に大きく貢献してきました。さらに、自らの研究成果に基づき、細胞分化、発生、ストレス応答、細胞がん化などの複雑な高次生命現象の理解に向けた、独自の視点でのユニークな研究を展開しており、医学の新しい分野の開拓に貢献しています。