研究科長挨拶
第40代医学系研究科・医学部長 石井 優

大阪大学医学部・大学院医学系研究科は、江戸時代後期に日本最高の西洋医学の教育を行っていた適塾を源流とし、開学以来、長きに亘って本邦における医学教育や臨床診療において中心的な役割を果たし、多くの有為な人材を輩出してきました。また数多くの世界最高レベルの医学研究の成果を生み出し、人類の医療の発展に貢献してきました。大阪大学医学部は、その歴史と伝統を継承するのみならず、医学界のフロンティアランナーとして、常に新しいことに挑戦し続け、日本の医学・医療を牽引する存在であり続けています。
医学・医療の日進月歩は激しく、毎日のように新しい発見がもたらされています。しかしながら、それでもなお、今日でも多くの病気はその原因が不明で根本的な治療法がなく、世界中で多くの患者さんやその家族が病に苦しんでいます。大阪大学医学部では、この未知の病の原因を解明し、新たな治療法を開発すべく、基礎医学から臨床医学、さらには医療技術の革新まで、幅広い分野で世界をリードする研究を推進しています。また、大阪大学医学部附属病院をはじめとする臨床の現場では、最先端の医療を実践しながら、患者さんに寄り添う医療の実現を目指しています。
教育においても、グローバルな視点を持った医師・医療人の育成に力を入れています。常に医学の進歩に対応し、科学的思考力と倫理観を兼ね備えた医師・研究者を輩出することが私たちの使命と考えます。また、多様な価値観を尊重し、国際社会に貢献できる人材を育てるために、海外の大学や研究機関との連携も積極的に進めています。
大阪大学医学部・大学院医学系研究科は「科学技術の革新を通して人類の健康と福祉に貢献する」という理念のもと、医学・医療のさらなる発展を目指して挑戦を続けてまいります。これからも、皆さまと共に未来の医療を切り拓いていけることを心より願っております。