学部・研究科紹介

未来の医療を切り開く最先端の医学を見つめる。

研究科長挨拶

第39代医学系研究科・医学部長 熊ノ郷 淳

医学系研究科長 医学部長
熊ノ郷 淳

大阪大学医学部・医学系研究科の源流である適塾には、緒方洪庵を慕って、日本中から意欲に満ち溢れた優秀な若者が集いました。彼らは、ただ師の教えを受けるだけではなく、互いに切磋琢磨し、競いあい高めあっていました。今日の大阪大学医学部・医学系研究科でも、適塾の精神を引き継ぎ、最新の医学・医療を受け身で学ぶだけではなく、明日の医学・医療を切り拓き、プロデュースしていくことができる人材を輩出していくことを使命に掲げています。多くの新薬や新しい治療法が世に出ていますが、原因不明の病気や治療法のない病気もまだまだ多く、世界中で多くの患者さんやその家族が苦しんでいます。学生生活においては、そのことを理解し皮膚で感じながら、「この病気は何故起こるのか?」、「なんとか治療できないか?」と日々考え、常に「何故か?」と問いかけ続ける姿勢を身に着けることが大切です。また、研究生活においては、生命現象の本質・真髄を見据えた基礎研究、また臨床研究においても、そこから新たな基礎研究に発展し、病因・病態の真の解明に繋がるような骨太の研究を目指してこそ、あとに残る成果、次につながる研究が生み出されます。

人は、人生の節目節目において、夢見る思いで一生の重大ごとを決定するものです。それは医学の道も同じです。「千日の勤学より一日の学匠」の言葉があります。阪大医学部・医学系研究科には、皆さんの憧れや将来のrole modelとなるような教授方がたくさんおられます。また、皆さんの隣には、数年後の医学界を背負っていくであろう仲間がいます。アンテナを張らなければ、せっかく入学した大阪大学の医学部・医学系研究科も、単なる通り道になってしまいます。研究生活・学生生活の中で、生涯の師や仲間と出会い、そして、その輪の中に飛び込む勇気を持ってほしいと思っています。主体的に自らを高め、難病に苦しむ患者さんを救える臨床医師として、あるいは世界の医学界を牽引し活躍する医学研究者として、大きく羽ばたいてもらうことを願っています。

現代社会において、大学は世間から隔絶された存在ではあり得ず、一般社会からの評価と支援を受けることは不可欠です。地域や一般の皆様からの医学部・医学系研究科への日頃からのご理解・ご支援へ感謝するとともに、医学・医療の追求、研究成果の社会への還元を目指して日々活動しております私たちに引き続きましてのご支援を賜りますこと、この場を借りましてお願い申し上げます。