白熱したカンファレンスとそのアカデミックさは衝撃

私は「大阪大学産婦人科研修プログラム」の1期生として入局しました。産婦人科に興味があり、また基礎研究が可能な大学院に進学したいという強い希望があったので、学生時代から関西のあちこちの大学の産婦人科医局や関連病院を見学しました。その中で、阪大病院や関連病院での、特に産科における白熱したカンファレンスとそのアカデミックさは衝撃的でした。また初期研修医時代からクルズス(専攻医向け勉強会)にも声をかけていただけたのも嬉しく、阪大の先生方の指導力に惹かれて入局を決めました。

大阪出身でも近畿圏の大学出身でもなく、初期研修先の病院も産婦人科は阪大医局では無かったため、阪大での研修は不安もあり周囲に心配もされましたが、全くの杞憂でした。研修先は当時の医局長の先生に「周産期も腫瘍も経験できる病院で、毎年専攻医がいる病院での研修希望」であることを伝え、大阪急性期・総合医療センターを紹介していただき、研修を開始しました。

写真 | 大阪急性期・総合医療センターでの研修

初期研修ではほとんど産婦人科を回らないまま後期研修に突入したため、ゼロからのスタートで、とても忙しい2年間でしたが、明るく熱心で常にエビデンスを提示しつつ指導していただける上級医の先生方に恵まれ充実した研修期間を過ごしました。プログラム制で必要な経験症例は1年程度で充足し、レポートや論文作成、学会発表などの点でも余裕をもった研修を行うことができました。

忙しい中でも上級医の先生方含め全員が夏休み・冬休みは完全にオフの時間を1週間きっちりと取られており、趣味の海外旅行でオーロラを見に行ったり、ラオス共和国へ産婦人科の病院見学に行ったりと自分の好きなことに使える時間も十分確保できる環境でした。

写真 | ラオス共和国へ産婦人科の病院見学
写真 | ラオス共和国へ産婦人科の病院見学

バラエティ豊富な研究

研修プログラム終了後は、大学院へ進学し、病理研究室でかねてからの念願のがんに関する基礎研究を行っています。

岩手医科大学との新規抗体薬物複合体の開発に関する共同研究ですでに論文を1本完成済みで、今は京都大学の共同研究先で阪大の臨床検体で作成した癌オルガノイドを使った研究に取り組んでいます。研究についても、私はMolecular Biologyに専念できる外部の研究室に行きたいという希望を叶えていただきましたが、同じ研究室内でも疫学研究をされている院生やデータサイエンスを極めている院生などバラエティ豊富です。

希望の向上を育む土壌ある医局

後期研修・大学院ともに、漠然とした希望でも上級医の先生方がヒアリングしてくださり、自分では思い浮かばない夢のあるアレンジを提案してくださるのが、阪大で研修期間を過ごして一番良かったことかと思います。

組織の大きさだけではなく、研修医や院生の希望に添って向上できるように気を配ってくださる土壌がある医局です。入局を考えていらっしゃる学生さん・研修医の先生方、ぜひ一緒に研修・研究しましょう!