多様かつ複雑な症例に触れる

免疫研究室 D4の本多と申します。私は大学を卒業後、初期研修を耳原総合病院で過ごしました。初期研修先の産婦人科部長に阪大・平地会のことを教えていただき、多数の関連病院が近隣にあることや充実した人員体制に魅力を感じ、「大阪大学産婦人科研修プログラム」に参加する運びとなりました。後期研修については、2年間は県立西宮病院で、残りの期間は大阪大学病院などの高度医療機関で過ごしました。後期研修先の初めの2年間を過ごした県立西宮病院は忙しい病院ではありましたが、臨床の基礎を育てて頂いた大切な期間でした。大阪大学病院では産科病棟に配属となりましたが、大学病院独特の多様かつ複雑な症例に触れることができました。産科病棟では、毎朝のカンファレンスで患者の情報を全員で共有し、最新のエビデンスに基づいて診断や治療を行います。このディスカッションの過程でも、さまざまな学びを得ました。

生殖医療の奥深さに魅了

また、研修プログラムの一環として、大阪大学病院生殖医療センターで1ヶ月間のローテーションの機会を得ました。恥ずかしながらほぼ知識のない状態で外来に参加させて頂いておりましたが、生殖外来の先生(当時から主に免疫研究室の先生が担当しておられました)からホルモン動態や卵子・受精卵の発生についてなど生殖分野の幅広い知識を学び、生殖医療の奥深さに魅了されました。この時から生殖医療の分野にもっと精通したい気持ちで、思い切って大学院に進学し、免疫研究室に所属させていただくこととなりました。

自分自身の手で新しい知見を探る

大学院では基礎研究と臨床研究の両方に取り組んでおります。基礎研究では細胞やマウスを用いた実験を行っておりますが、悪戦苦闘しながらも、自分自身の手で新しい知見を探る過程は何物にも変え難い経験と思います。臨床研究では生殖医療に関連する臨床検体・症例を対象に研究を行っており、この過程で先進医療の申請や実施にも関与し、一般病院では得難い貴重な機会に恵まれました。生殖外来などの臨床業務に携わることもあるため、指導医の先生方からのバックアップを受けながら、臨床医としての感覚を保ち続けています。

研究・仕事・家庭のバランスを保ちながら、自分を高めることができる

大学院生が振り分けられる当直業務はほとんどないため、研究の時間以外は研鑽・プライベートの時間に充てています。プライベートの時間は、双子の子どもたちと充実した日々を過ごしています。子育ては確かに大変ですが、大変ながらも日常に潤いをもたらしてくれます。また、妻も医師として忙しい日々を送っていますが、お互いに支え合って日々を大切に過ごしております。
研究・仕事・家庭のバランスを保ちながら、自分を高めることができる土壌がある医局・研究室です。興味を持たれたかたは思い切って飛び込んでみても決して後悔することはないと思います。

写真1 | 全体集合写真
写真 | 生殖医学会2022
写真 | 研究の検体処理中