大阪大学 医学部付属病院腎臓内科・血液浄化部サイトマップ  
最新情報
診療のご案内
科長挨拶
研究室紹介
スタッフ紹介
研究内容の紹介
医学生の皆さんへ
後期研修のご案内
大学院のご案内
学会、研究会情報
リンク集
お問い合わせ

老年腎臓内科のホームページ
大阪大学のホームページ

教室見学・研修説明随時募集中!!
医学生の皆さんへ

医学生の皆さんへ

腎臓内科学とは「個体環境学」です。多細胞高等生物であるヒトが、さまざまな環境下でも、安定して身体を維持できるのは、腎臓が体液環境をリアルタイムに最適化しているからなのです。腎臓の機能異常(臓器障害)が他の臓器障害と異なるところは、全身の細胞環境にはなはだしく影響を及ぼすところにあります。けっして不要な老廃物を尿として排泄することだけが腎臓の働きではありません。それはたとえば、不要な老廃物を捨て去るだけならば十分なはずの5割程度の腎機能障害でも、血管合併症のリスクを有意に高めることからも明らかです。

たとえば、リンは血液中の無機リン酸として臨床検査で測定されるだけですが、DNA合成、ATP合成、解糖系を含めた体内のリン酸化反応、リン脂質合成、など生命活動の基本元素としてとても重要です。その出納調節は腎臓が行います。カルシウムイオンが細胞活動の根幹をなすことは誰でも知っています。カルシウムを貯金箱である骨にどれだけ預けてどれだけ引き出すのか、腸管や腎臓からどの程度吸収や排泄を行うのか、イオン化に直接関係する体液pHの適正化、も腎臓がコントロールします。心筋活動電位に影響するカリウムの排泄や細胞内外の移動も腎臓がコントロールします。身体のすみずみまで酸素をおくる運搬量は、心拍出量のみならずヘモグロビン濃度が決定的な因子ですが、赤血球産生量を決めるのは腎臓です。血圧は、体外にナトリウムを排泄する能力で決まりますが、それはとりもなおさず腎臓での血漿濾過量にほかなりません。

腎機能障害は、血清クレアチニンが上がるから問題なのではなく、体液環境悪化に伴い全身合併症が色々と起こるから問題なのです。日々の臨床は、腎機能を低下しないようにするのみならず、合併症の早期診断と治療も重要です。初めに戻りますが、個体環境の治療学ということですね。腎臓内科医の重要さをわかっていただけるでしょうか。

米国疫学調査によれば、構成人口の5%は6割以下の腎機能しか有さないことがわかっています。例えは悪いかもしれませんが、10歳のネコの10%は腎不全と言われています。残念ながら、現行医療では患者母集団はこれからも大きくなると予想されます。それゆえ、研究面では、従来の概念や流行にとらわれないで、科学的な視点からの果敢な挑戦が要求されます。次世代の医療従事者にとってとてもやりがいのある領域です。

腎臓内科に興味がある方、医学部でなくても私どもの研究に関心をお持ちの方は、ぜひご連絡ください。



 ページの先頭へ戻る

Copyright(c)2006 Department of Internal Medicine and TheraPeutics Osaka University Graduate School of Medicine. All Rights Resered.