大阪大学大学院医学系研究科血管作動温熱治療学

Lab. of thermo-therapeutics for vascular dysfunction, Osaka University Graduate School of Medicine

ご挨拶

教授 嶋 良仁

全身性硬化症(強皮症)などの膠原病は難病だと言われています。原因もその治療方法も手探りの状況です。その解明に向けての努力が必要であるのは言うまでもありませんが、これには多くの時間と費用と人力が必要です。将来きっと素晴らしい根本的な治療法が開発されるはずだと信じていますが、今現在これらの難病を患っている皆さんはどうすればよいでしょうか。私たちは、全く新しい薬物の開発や発見を目指すのではなく、「今ある技術、今手に入る方法で病状を軽快させることができないか」をテーマに研究活動を行っています。今ある技術といっても、とても高価なものでは一部の人にしか役に立ちません。今使えて、それも安く手に入れやすい方法で、という条件も付きます。現在、「全身性硬化症(強皮症)にみられる毛細血管障害を『加温』という物理刺激で改善できないか」というテーマを挙げ、使い捨てカイロのトップメーカーの小林製薬株式会社と大阪大学とで共同プロジェクトを2018年に開始しました。幸い、良い研究成果が蓄積してきています。「未来」ではなく、ここ1,2年のうちに皆さんのもとへお届けできると考えています。

全身性硬化症(強皮症)は毛細血管障害が進行する疾患ですが、毛細血管障害は健康な人でも年齢とともに進行します。特定の病気の人だけでなく、高齢化社会におけるヘルスケアとなるように開発を続けたいと考えています。

大阪大学大学院医学系研究科
血管作動温熱治療学共同研究講座
特任教授 嶋 良仁

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