レイノー現象のある全身性硬化症(強皮症)への部位別加温試験
先述の結果をもとに、今度は全身性硬化症(強皮症)の患者さんに首の後ろ、肘の上、手首をそれぞれ1週間ずつ使い捨てカイロで加温する試験を行いました。今回はレイノー現象に対する自己評価だけではなく、採血を行って毛細血管が増えたり伸びたりする因子が変動するかを確かめることにしました。
この結果、首の後ろと肘の上を使い捨てカイロで温めた時にレイノー現象の緩和が観察され、反復する都度少しずつ症状が軽くなることがわかりました。一般的な肘の血管から採血した検体では、血管新生に関わる因子に変化が観察されませんでしたが、指先から採血した血液では、毛細血管をまっすぐ伸ばす因子(angiopoietin-1)が増えてくることがわかりました。
(詳しくは、論文発表しています。https://doi.org/10.1093/mr/roab014 英文ですが、全文freeで読めます。)
効果レイノー現象に対する部位別加温
各部位加温時の指先でのアンギオポエチン-1濃度の変化