全身性硬化症(強皮症)に対する肘加温効果の全国試験(HOCA試験)
先の試験で、肘関節の上(肩側)を温めるとレイノー現象が緩和される効果が観察されたので、これを検証する目的で日本全国での多施設試験、「使い捨てカイロを用いた全身性強皮症のレイノー現象緩和効果を調査する多施設試験」The single-arm multicenter study using heating device by applying iron oxidation for Raynaud’s phenomenon caused by systemic sclerosis : HOCA試験を実施しました。
対象はレイノー現象がある全身性硬化症(強皮症)の患者です。試験参加施設は次の通りです。
HOCA試験参加施設 | |
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地域 | 施設名 |
北海道 | 札幌医科大学附属病院 |
関東 | 小川赤十字病院 |
中京 | JCHO中京病院 |
関西 | 兵庫医科大学附属病院 |
和歌山医科大学病院 | |
大阪大学医学部附属病院 | |
九州 | 大分赤十字病院 |

上記7施設で、レイノー現象ある強皮症患者に肘にカイロを装着いただき、2週間おきにカイロなしとカイロありを2回反復していただきました。この間、レイノー現象を11段階で評価するRaynaud Condition Score (RCS)とレイノー現象の発生回数、持続時間を記録いただきました。この結果、図のように両肘にカイロを装着した期間のRCSは低下していることがわかりました。また、カイロ装着期間中はレイノー現象の発生回数と持続時間も軽減していました。
(詳しくは、論文発表しています。https://doi.org/10.1093/mr/roac116 英文ですが、全文freeで読めます。)