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  • 平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「IL-6- STAT3経路はカテプシンS活性を介して樹状細胞の細胞内MHCクラスII αβ二量体レベルを制御する」

平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「IL-6- STAT3経路はカテプシンS活性を介して樹状細胞の細胞内MHCクラスII αβ二量体レベルを制御する」


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2005年11月 発表
掲載誌 Immunity, 23: 491-502, 2005.

IL-6- STAT3経路はカテプシンS活性を介して樹状細胞の細胞内MHCクラスII αβ二量体レベルを制御する

要旨:我々は以前にIL-6が樹状細胞の MHCクラスIIレベルを負に制御することを証明している。今回我々は、その分子機構を明らかにした。IL-6-STAT3経路は内在性のカテプシン阻害因子であるシスタチンCを減少させることによって、樹状細胞内のMHCクラスII αβ二量体、Iiおよびh3-DMレベルを下げた。重要なことに、カテプシンS阻害剤もしくはシスタチンCの強制発現により、IL-6の効果は打ち消される。反対に、カテプシンSの強制発現はIL-6と同様の効果を発揮し、LPSによって誘導される樹状細胞のMHCIIの発現増強およびCD4+ T 細胞の活性化を抑制した。IL-6-STAT3経路による樹状細胞のシスタチンCとMHCクラスII αβ二量体の減少は、マウス個体を用いた実験でも確認された。従って、IL-6-STAT3シグナルは樹状細胞においてMHCII抗原提示機構を制御し、 CD4+ T細胞免疫応答を抑制する。

URL http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molonc/www/