内科学

老年・総合内科学

老年医学と総合診療学の融合: 先進研究も取り入れた新しい高齢者医療の実現へ
  • 老化の新規メカニズムを解明し、治療法を開発する
  • 軽度認知障害~認知症のメカニズムを解明し、早期発見のスクリーニングツールを開発する
  • デジタル技術も活用して高齢者の虚弱(フレイル)を評価、介入する
  • フレイルを予防するヘルスケア、介護を最適化するシステムを開発し、幸福な長寿社会実現に貢献する
  • 優れた診療技術、専門的な高齢者のマネジメント能力を有するプロフェッショナルな老年・総合内科医を育成する
教授 山本 浩一
内科学講座 老年・総合内科学
当研究室は、1976年に老年病医学講座として開講しました。日本を代表する老年医学教室として、生活習慣病、フレイル、サルコペニアや認知症など老化関連疾患の機序解明、治療法開発を目指した老化研究を行ってきました。また、臨床の疑問点を研究につなげる総合診療医の育成にも取り組んでいます。

老化のメカニズムを明らかにし、臨床応用に必要な評価・介入法を開発することで革新的な高齢者医療を実現する

老年医学の使命は健康寿命の延伸も含めて高齢者が幸福に生涯を全うするための医療・介護を提供することにありますが、そのための介入ポイントとして「フレイル」が重要です。フレイルは健常と要介護の間にある高齢者の予備能力の低下を表す病態で介入により健常に改善しえること、医療から介護への転換点であることからフレイルのメカニズムを解明し、評価・介入することが求められます。フレイルは身体的フレイル(フレイル・サルコペニアなど)、認知的フレイル(MCI, 認知症など)、などに分類され、当研究室ではフレイルのメカニズム解明、評価・治療法開発、フレイル予防、介護移行期のケア最適化など主にフレイルを軸にした研究を行っています。

研究グループは、高血圧・老化、(身体的)フレイル・糖尿病、認知症、総合診療に分かれており、各グループが専門的な切り口からアプローチしています。これらの研究を通じて、人間が高齢期に直面する疾病や機能低下の影響をできるだけ軽減し、健康で幸福な生涯を全うできるための評価法や介入方法の開発を基礎研究や臨床研究を通して行っています。各グループの研究内容は教室ホームページをご覧ください。
https://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/geriat/www/jgrpa.html

また、当研究室は医学部附属病院において、診療も積極的に行っており、メンバーはそれぞれの専門分野(老年病、認知症、循環器、糖尿病、腎臓、総合診療など)を持ちながら、高齢者への包括的な診療能力の高い医師を目指しています。優れた診断能力と認知症など高齢者特有の病態への幅広い知識、フレイル、ポリファーマシーなどの高齢者の医学的問題に対する専門的技術を併せ持つ「プロフェッショナルな老年・総合診療医」の育成にも力を入れています。さらに、研究開発したAIを含む先進医療を病院診療に導入し、世界に発信していくことを目標としています。