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「免疫-その動的ネットワークで臓器・組織をつなぎ、生体の統合性を維持する機構」(40文字)
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教授 石井 優
生命機能研究科・個体機能学講座 医学系研究科・感染免疫医学講座・免疫細胞生物学教室
当教室の源流は、大阪大学医学部附属癌研究施設・腫瘍代謝部門(初代:松本圭史教授,2代:北村幸彦教授)に遡ります。その後、附属バイオメディカル教育研究センター・腫瘍病理部門,医学系研究科/生命機能研究科・免疫発生学教室(3代・先代:平野俊夫教授)を経て、現在に至っております。(約140文字)

世界的にも独自の「骨の中の生きたままでのイメージング系」を駆使した新しい研究展開

骨は極めて硬い組織で光をほとんど透過させないので、生きたままの状態で内部を観察することは不可能であると考えられてきました。これまでの骨の研究では、骨を取り出して、固いナイフで薄く切って組織標本にして観察していました。当然ですが、このようにして解析すると、細胞の形は残っていますが、すでに死んでいるので動きません。当教室では、2光子励起顕微鏡という特殊な光学顕微鏡をうまく利用することにより、骨の内部・骨髄腔を生きたままの状態で観察すること(=骨髄腔内の「非破壊検査」ですね)に世界に先駆けて成功しました(Nature 2009; Nature Protoc 2009など)。これによって、今まで謎めいていた骨髄の中の生命現象が、手に取るようにリアルに分かってきました。

一例として、炎症のときに骨を壊したり、通常の状態では古い骨を吸収して骨質のリモデリング(新陳代謝)に役割を果たしている破骨細胞に関して紹介します。この細胞は元々血液中のマクロファージ系由来の細胞で、これが骨表面に到達して「骨を食べるのに特化したマクロファージ」となったものです。骨髄内を生きたままでイメージングできるようになったことで、この「マクロファージが骨に到達するメカニズム」や「骨の表面で実際に骨を破壊するメカニズム」を、実体的に解析することができました。より具体的には、破骨細胞になるマクロファージの骨の中での動きは、生理活性脂質の1つであるスフィンゴシン1リン酸(S1P)という物質によって巧妙に調節されていること(Nature 2009; J Exp Med 2010; J Clin Invest 2012; J Immunol 2013など)を発見しました。さらに、最近では昔から骨を強くすることが知られていましたが、そのメカニズムがよく分かっていなかったビタミンDが、S1Pによる破骨細胞の動きを調節することによって骨破壊を抑制することを発見しました(PNAS 2013)。また、破骨細胞が実際に骨を壊す様子の可視化に世界で初めて成功し、骨の破壊には破骨細胞の数だけではなく、機能状態の調節が重要であることを明らかにしました(J Clin Invest 2013)。
骨の中は様々な免疫細胞・血液細胞が誕生し、分化して機能する場であります。また、転移性のがん細胞の隠れ場所でもあります。骨の中を生きたままで解析することで、免疫学・血液学のみならず様々な生命科学の分野において今後も様々な研究成果が期待されます。