診療

HOME診療診療内容のご紹介(患者さん向け) > ASO(閉塞性動脈硬化症)

診療内容のご紹介(患者さん向け)

閉塞性動脈硬化症(ASO)について

①ASOとは?

ASOは、下肢の血管が動脈硬化によって細くなったり、閉塞することで、血流が不足して起こる病気です。動脈硬化の危険因子としては加齢、男性、喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病などがあります。狭心症や脳梗塞なども動脈硬化が原因で起こりますが、ASOも全身の動脈硬化の一部分として起こるのです。超高齢社会であるわが国においては生活習慣病の増加を背景に急増しています。

②症状について

ASOは病状の進行に伴い、症状が変化していきます。軽い段階では、無症状のこともありますが、進行するとしびれや冷感を感じます。さらに動脈硬化が進行し、下肢への血流が低下すると、歩行時の痛みを感じるようになります。数分歩くと痛みが生じて休憩し、痛みが和らぐと再び歩き始めるということを繰り返すため、間欠性跛行と呼ばれています。病状の進行にともない、痛みを感じるまでの距離が短くなってきます。さらに病状が進行すると歩かなくても痛みを感じる様になります(安静時疼痛)。それを放置すると、さらに血流が不足し、下肢に潰瘍や壊死が生じ、場合によっては下肢の切断を余儀なくされることがあります。

③予防と治療について

ASOは下肢切断に至る可能性のある怖い病気ですので、早期の発見、治療が必要な病気です。前述のような症状がある場合には、詳しい問診や足の動脈の診察、下肢血圧測定、各種画像検査で診断を行います。

ASOでは、動脈硬化の危険因子(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の治療が基本です。禁煙も非常に重要です。運動療法も血流の改善が期待できます。

薬物治療としては、血液をサラサラにする薬や、血管を広げる薬を用います。
また、薬で不十分な場合はカテーテルを用いて細くなった血管を風船で広げる治療や、外科的治療(バイパス術)を行う場合もあります。

さらに当科では重症化したASOの潰瘍に対する最先端の治療も行っておりますので、かかりつけの先生にご相談下さい。

(文責:大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学 鷹見洋一)

ページの先頭へ