診療

診療内容のご紹介(患者さん向け)

睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)

睡眠呼吸障害とは?

睡眠呼吸障害は睡眠時に呼吸が停止したり(無呼吸)、弱くなったり(低呼吸)することで人体に悪影響を引き起こす病気です。睡眠呼吸障害に日中の眠気などの症状が加わった場合、睡眠時無呼吸症候群と呼びます。睡眠呼吸障害の多くは睡眠中に上気道(特に咽頭部)狭窄・閉塞が起こることで無呼吸や低呼吸となる閉塞性睡眠時無呼吸ですが、脳の呼吸中枢の異常で起こる中枢性睡眠時無呼吸も稀に認められます。睡眠呼吸障害では夜間に低酸素状態になることや深い睡眠が取れないことで交感神経が活性化し血圧が上昇します。睡眠呼吸障害は高血圧の原因となるだけでなく、高血圧に合併することで脳卒中や心筋梗塞などの心血管病を発症するリスクが数倍に上昇することが分かっています。一般的に閉塞性睡眠時無呼吸は肥満の中年男性に多く認めることが知られていますが、実は高齢者にも多い病気です。我々の研究においても、高齢者では肥満がなくても閉塞性睡眠時無呼吸になりやすいことが分かっております。

睡眠呼吸障害の症状は?

日中の異常な眠気などの症状がある場合は睡眠時無呼吸症候群に分類されます。日中の眠気がない場合でも、睡眠中に何度も起きる、睡眠中に3回以上排尿に行くなどの症状を伴うことがあります。睡眠中のいびきや無呼吸で発見されることもあります。

睡眠呼吸障害の診断は?

睡眠呼吸障害を疑う場合、外来でできる簡易モニターを用いてスクリーニング検査を行います。確実な診断は入院して行う睡眠ポリグラフィーの分析により行います。1時間に10秒間呼吸が停止しているか低下している回数を無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼びAHIが5以上で睡眠呼吸障害と診断されます。AHIが30以上になると重症に分類されます。

睡眠呼吸障害の治療は?

肥満が原因である場合は減量が必須です。飲酒で悪化する事があり、飲酒量を減らすことも治療になります。日中の眠気などの症状を伴う場合、持続性陽圧換気(CPAP)を用いた治療を行うことがあります。CPAPによる治療は睡眠中長時間装着できないと効果が乏しいことが分かっており、設定調節などにより装着に伴う不快感を減らすことが重要です。その他、歯科装具(マウスピース)による治療を行うこともあります。

(文責:大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学 山本浩一)

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