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  • 村上 正晃、平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「Th17細胞は繊維芽細胞に存在するIL-6増幅ループを活性化する事で自己免疫疾患を誘導する:免疫細胞と非免疫細胞の相互作用が自己免疫病に重要な役割を果たしている」

村上 正晃、平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「Th17細胞は繊維芽細胞に存在するIL-6増幅ループを活性化する事で自己免疫疾患を誘導する:免疫細胞と非免疫細胞の相互作用が自己免疫病に重要な役割を果たしている」


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2008年10月17日 発表
掲載誌 Immunity, 29: 628-636, 2008

Th17細胞は繊維芽細胞に存在するIL-6増幅ループを活性化する事で自己免疫疾患を誘導する:免疫細胞 と非免疫細胞の相互作用が自己免疫病に重要な役割を果たしている

<研究の背景と経緯>
Th17細胞は、最近発見されたTh1、Th2細胞に続く第3番目のCD4+ヘルパーT細胞の細胞集団で、活性化すると多くのIL-17を産生する。これ までの研究から、Th17細胞は、多くの自己免疫疾患(関節リウマチ、糖尿病、自己免疫性脳脊髄炎等)に重要であることが示されてきた。しかし、Th17 から産生されるIL-17がどのように多くの自己免疫疾患を誘導するのか不明であった。一方、我々は免疫細胞と繊維芽細胞等の非免疫細胞の相互作用が自己 免疫病の発症に重要である事を報告してきた(Sawa et al., JEM, 2006)。

<本研究の内容>
今回、我々はTh17細胞から産生されるIL-17がIL-6と協調して繊維芽細胞(1型コラーゲン陽性細胞)に作用して、さらに、多くのIL-6を産生 するという”IL-17誘導性のIL-6産生増幅ループ”の存在を示した。このIL-6増幅ループの暴走が自己免疫性関節炎(F759関節炎)および自己 免疫性脳脊髄炎(EAE)に重要である事をマウスの生体内にて証明した。

<今後の展開>
このIL-6増幅ループを人為的に増強、減弱する事で、生体の免疫反応をコントロールしてワクチン、癌治療、アレルギー治療等への応用も可能となる。

URL http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molonc/www/