共同研究講座

運動器再生医学

運動器障害に対する新規再生治療法の開発とその普及 
  • アテロコラーゲン細胞担体を用いた新規半月板再生医療機器の確立とその普及
  • 運動器細胞とアテロコラーゲン細胞担体を組み合わせた新規ハイブリッド運動器治療法の開発
  • ナノテクノロジー・三次元力学刺激培養システムを用いた新規運動器再生治療法の開発
  • 健康増進やスポーツ活動普及のためのソフトウェア開発とヘルスケア増進の普及

アテロコラーゲン・三次元力学刺激培養システムを用いた新規運動器疾患再生治療法の開発

超高齢社会の到来に伴い、個人の自立や医療費・介護力抑制のためには運動器機能維持による健康寿命の延伸が大きな課題となっています。

大阪大学医学系研究科の整形外科学およびスポーツ医学では、様々な運動器(靭帯・半月板・軟骨・骨・腱・骨格筋など)障害の治療・予防に関する基礎・橋渡し・臨床研究を実施し、新規医療機器と再生医療の開発を行ってきました。これまでに生体由来材料の新規医療機器であるアテロコラーゲン半月板補填材の特許(細胞培養用担体特許第4915693号、コラーゲンスポンジ 特許第5909610号)を所得するとともに、非臨床安全性試験、大動物有効性試験を経て現在ヒト臨床研究を厚労省先進医療にて開始しています。

また、運動器の細胞は生体内では実験の平面培養と異なり立体的構造を有していることより、独自の三次元力学負荷培養システムを開発・特許を所得し(生体力学刺激負荷による細胞培養方法及びその装置 特許第4116057号(P4116057))、より生体内に近い条件での再生医療研究も行っています。

今回、私たちは運動器の健康維持に関する多様な商品の開発と販売に長年携わってきた大正製薬と共同研究講座と設立することにより、新しい再生医療機器であるアテロコラーゲン補填材の市販化・普及を目指しています。

今後、このアテロコラーゲン補填材と種々の運動器細胞を組み合わせたハイブリッド医療や、以前より取り組んできたナノテクノロジーを用いた新規運動器疾患再生治療法の開発も目指しています。

また、スポーツ医学教室は2015年よりスポーツ庁と共に2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた革新的スポーツ研究拠点プロジェクトを立ち上げ、サイバー・フィジカル・システム構築拠点としての活動と共に、健康増進やスポーツ活動普及のためのソフトウェア開発や、ヘルスケア増進を普及させるための活動も行っています。