放射線統合医学

放射線医学

画像を用いて高度の診断から治療を施行
  • 最新のCT・MRI技術の臨床応用について
  • 血管奇形疾患の画像診断およびIVR治療
  • 人工知能の画像診断への応用
教授 富山憲幸
放射線統合医学講座 放射線医学
放射線医学は物理化学的な方法論を用いて生体の情報を画像として捉え、得られた画像から診断を行う学問です。近年、診断機器の進歩と相まってこの分野の発展はめざましく、その重要性がますます高まってきています。
当研究室では、全身のあらゆる部位の画像診断と画像を応用して経皮的治療を行うインターベンショナル・ラジオロジー(IVR)を広く行っています。

CT・MRIの最新技術を用いた病態解明、臨床応用の研究

CT・MRI装置は日々進歩しており、大阪大学では最新の画像診断装置を用いた多くの研究を行っています。 1つは逐次近似法を用いた低線量CTの臨床応用です。図1に0.05mSv(胸部Xp程度)で撮影したCT像を示します。通常の再構成法(A)では肺野内の詳細は不明であるが、最新の逐次近似法(D)では末梢肺の微小血管も評価可能となっています。

図1: 低線量CTの各種再構成法による胸部画像

今後の低線量CTの可能性を示した研究であり、胸部領域では新しい再構成法で被曝量の低減が期待されます。 MRIでは4D-Flow MRI(心電図同期3D位相コントラストMR)を用いることで、心周期に伴う血流評価が可能となり、脳動脈瘤内の血流評価が可能となっています(図2)。現在、この血流状態と動脈瘤増大などについて研究進行中です。

図2: 脳底動脈瘤のMRIを用いた血流画像

MRIで血流状態、流速が評価可能となり、頭部や大血管・心臓での検討が始まっています。血流情報と各種循環器疾患の病態、予後について現在研究を進めています。