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腹膜透析施行時のトラブルシューティング

バッグ交換時の注意事項

1.よりよい交換場所

交換場所は掃除がいきとどいており、手洗いの場所からあまり離れていないことが望ましいです。また部屋の窓や扉は閉めて、風が直接当たるような冷暖房器具は止めているか確認して下さい。

2.透析液の保管場所の注意点

透析液は屋内で保管するように指導しています。保管する部屋の環境は、直射日光が当たらない、湿気やほこりが少ない、床が透析液の重さに耐えられる等を確認して下さい。

3.バッグ交換前の準備

手洗い

爪を短く切っていることを確認し、手を洗う前に腕時計を外して下さい。
石鹸と流水で十分に洗い、ペーパータオルまたは清潔なタオルで手を拭いて下さい。
手を洗った後はできるだけ他の所に触れないようにして下さい。

マスクを装着する

バッグ加温器で透析液が温められているか確認して下さい。

4.バッグ交換に必要な物品

CAPD

  • 排液バッグ付き透析液
  • はかり
  • 時計
  • 記録ノート
  • 排液確認用下敷き
  • 保温カバー
  • スタンドなど(バッグを掛けられるもの)
  • 接続・切り離しに必要なシステム関連器具

APD

  • 排液バッグが付いていない透析液
  • 記録ノート
  • 排液確認用下敷き
  • 排液タンク
  • APD用の回路
  • 接続・切り離しに必要なシステム関連器具

5.バッグ交換時の手順(CAPDの場合)

  1. A、B、Cのクランプが閉まっていることを確認して下さい。
  2. 排液バッグ付き透析液と腹部から出ているカテーテル先端を接続します。
  3. B・Cを開放して、透析液回路内のプライミング(透析液で充填)を行います。
  4. プライミング後は速やかにB・Cをクランプします。
  5. A・Cのクランプを開放し、腹腔内の透析液を排出します。
  6. Cをクランプした後、Bを開放して腹腔内に透析液を注入します。
  7. 予定する注液が終了したら、透析液バッグと切り離します。

6.バッグ交換後の排液処理方法

バッグ交換後の排液を適切に処理しましょう。家の中の衛生環境を保つために必要です。バッグをハサミで切り、排液をトイレに捨てます。バッグを小さくたたみ、ビニール袋や新聞紙に包みます。中身が外に出ないように、テープや紐でしっかりと封をします。各市町村の分別方法に合わせてゴミ収集所に捨てます。

7.記録ノートに記載する項目

注排液量や排液の性状

注排液の量を毎回確認し、記載します。また排液の混濁や色調、フィブリンの有無も観察して下さい。体重、血圧、体温、尿・便回数を記載するように指導して下さい。