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腹膜透析施行時のトラブルシューティング

総除水量変化時の対応・指導

1.総除水量の低下

原因

カテーテル位置異常、腹膜透過性の亢進、PD関連腹膜炎

対応、指導

除水量が急激に減った場合には、カテーテル位置異常の可能性があります。注排液に時間がかかっていないかを確認して下さい。全く注排液ができていない場合は、医療機関に連絡して下さい。詳しくは、「5.PD注排液困難時の対応・指導」を参照して下さい。
また腹膜透過性は、透析期間が長くなるにつれて亢進し、自然経過で次第に除水量が減る傾向にあります。しかし、PD関連腹膜炎の発症時には急激な除水量の低下を認めることもありますので、透析液の混濁や腹部痛、発熱がないかを確認して下さい。詳しくは、「6.PD排液混濁時の対応・指導」を参照して下さい。除水量の減少に伴い、尿量が増加するケースもみられるため、体重の急激な増加、浮腫の出現・増悪がなければ大きな問題はありません。もし体重の増加や浮腫の増悪等の急激な変化があれば、医療機関に連絡して下さい。

2.総除水量の増加

原因

PD処方の変更(例:高濃度ブドウ糖液やイコデキストリン酸液の使用)など

対応、指導

透析液の変更に伴い、除水量が増加することがあります。除水量が増加している場合には、基本的に心配する必要はありませんが、透析液の内容を確認して下さい。また、除水量の増加により脱水になる可能性があります。体重の減少、血圧低下、立ち眩みなどの症状がないかを確認し、必要時は医療機関に連絡して下さい。