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腹膜透析施行時のトラブルシューティング

体重増加時、血圧上昇時、尿量減少時の対応・指導

1.体重増加時

原因

体重が増加している原因として疑われるのは、体液過剰、脂肪や筋肉の増加ですが、塩分過多、飲水過多、尿量低下、除水量低下は体液過剰の原因となります。

対応、指導

浮腫や呼吸苦などは体液過剰のサインです。尿量や除水量が低下していないか確認して下さい。体液過剰が疑われる場合、まずは減塩、飲水制限の指導を行って下さい。除水量低下が持続している場合は、カテーテル先端の位置異常や閉塞の可能性がありますので、医療機関を受診するように指導して下さい。

2.尿量減少時

原因

脱水や残腎機能低下のため尿量低下を引き起こすことがあります。

対応、指導

体重減少や皮膚乾燥などの脱水症状の有無を確認します。脱水でない場合は、利尿薬の服薬状況を確認して下さい。体液過剰が高度な場合は医療機関に連絡して下さい。

3.血圧上昇時

原因

塩分過多や体液過剰になっている可能性があります。また降圧薬の怠薬が原因の場合もあります。

対応、指導

深呼吸後、再度血圧を測定して下さい。体液過剰が疑われる場合は、減塩や飲水の制限を指導して下さい。降圧薬の服薬状況を確認して下さい。高度な高血圧(180/110mmHg以上)が持続する場合は、自覚症状が乏しくても早めに医療機関への受診を勧めて下さい。