先進アイソトープ診療学
- 新たな機能画像診断法の開発
- 新たなアイソトープ治療法の開発
- PET画像解析法の開発および臨床応用
- 線量評価法の開発および臨床応用
新たな核医学イメージング法および標的アイソトープ治療法の開発と応用
近年セラノスティクスとも表現されるアイソトープ診療が注目されています。アイソトープ診療の開発研究整備は、内閣府の「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン」において推進すべき目標とされており、非常に重要性が高い課題です。
現在、悪性腫瘍などの患者さんに対して、アルファ線、ベータ線放出核種を標識した治療用薬剤を病巣に集積させて生物学的効果が高い放射線で治療を行う標的アイソトープ治療の開発が盛んに行われています。この分野では、化合物の開発、その治療効果の評価、薬剤の投与法の工夫、薬剤の動態評価、正常組織の障害、特に被ばくの評価が必須です。また、臨床で治療を行う場合には、それぞれの治療薬に関して患者さん毎の治療適応に関する評価も重要です。
これらの評価にはCTやMRIの他、核医学の機能画像(PET、SPECT、シンチグラフィ)が非常に有用です。機能画像診断分野においては、イメージング薬剤の開発のみならず、開発薬剤の小動物による基礎的な検討、臨床でのPET臨床試験(マイクロドーズ試験)、既存薬剤を用いた新たな適用疾患の拡大、撮像プロトコルの工夫による薬物動態パラメータ画像の構築、イメージングの品質改良、低侵襲イメージング法の開発等に関して研究を進めていく必要があります。
当講座では、イメージング法と標的アイソトープ治療法の双方に関して、放射線統合医学講座(核医学診療科)、放射線科学基盤機構および企業と連携しながら、分野横断的でトランスレーショナルな研究を行っています。
「アルファ線を放出するナノ粒子による安定・安全ながん治療薬
~病巣に直接注入することで限局的な超低被ばくの治療が可能に~」
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2021/20210825_2
図:がんに直接注入した薬剤は腫瘤内に拡がり、がん細胞内に侵入し、他には影響を及ぼさずがん細胞のDNAを破壊する。
「従来法では発見できない頭部外傷による脳傷害を画像化
~認知機能障害の新たな画像診断法~」
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2022/20220818_1
図:正常神経細胞では、ベンゾジアゼピン受容体が発現しており123I-イオマゼニルが受容体に結合するため、SPECTでその放射能が検出されます。頭部外傷で軸索損傷が起こると神経細胞活性が低下、受容体結合も低下しSPECT信号が低下します。時間の経過とともに一部で細胞死によって脳が萎縮すると考えられます。
「アルファ線による効果的・安全ながん腹膜播種の治療薬
~アスタチン211を結合したナノ粒子が浮遊がん細胞を狙い撃ちする新技術~」
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2026/20261023_2
図:アルファ線放出ナノ粒子の腹腔内投与によるがん腹膜播種の治療
