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  • 平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「亜鉛トランスポーターLIV1はゼブラフィッシュの原腸胚オーガナイザー細胞における上皮-間葉転換を制御する」

平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「亜鉛トランスポーターLIV1はゼブラフィッシュの原腸胚オーガナイザー細胞における上皮-間葉転換を制御する」


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2004年5月20日 発表
掲載誌 Nature 429: 298-302, 2004

亜鉛トランスポーターLIV1はゼブラフィッシュの原腸胚オーガナイザー細胞における上皮-間葉転換を制御する

要旨:我々はSTAT3による細胞運動制御の分子メカニズムを明らかにするために、ゼブラフィッシュ原腸胚オーガナイザー細胞におけるSTAT3の標的遺伝子の同定を試みた。我々が単離したSTAT3の標的遺伝子は、これまで臨床統計学的に乳癌の転移との相関が認められていた機能未知の遺伝子LIV1であった。次に我々はSTAT3の標的遺伝子LIV1の機能解析をするために、LIV1ノックダウンゼブラフィッシュ胚を作製し解析した。その結果LIV1はオーガナイザー細胞の上皮-間葉転換 (EMT)を制御することが明らかとなった。オーガナイザー細胞や癌細胞のEMTはZinc-finger転写因子Snailにより制御されていることが明らかにされていたが、我々が同定したEMT制御遺伝子LIV1はZnトランスポーター蛋白コードしていた。そこで我々はZnトランスポーターLIV1と Snailの関係を明らかとするために、Snailの細胞内での挙動とそれに及ぼすLIV1の影響を解析した。その結果、ZnトランスポーターLIV1は EMTのmaster regulator であるSnailの核移行を亜鉛依存的に制御しその活性を調節することにより、オーガナイザー細胞にEMTを誘導し運動能を亢進させることが明らかとなった。

URL http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molonc/www/