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  • 平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「変異IL-6 受容体gp130による自己免疫性関節炎はSTAT3/IL-7依存的なCD4+ T細胞のホメオスタシス増殖によって引き起こされる」

平野 俊夫 ≪免疫発生学≫ 「変異IL-6 受容体gp130による自己免疫性関節炎はSTAT3/IL-7依存的なCD4+ T細胞のホメオスタシス増殖によって引き起こされる」


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2006年6月12日 発表
掲載誌 J. Exp. Med. 203:1459-1470, 2006

変異IL-6 受容体gp130による自己免疫性関節炎はSTAT3/IL-7依存的なCD4+ T細胞のホメオスタシス増殖によって引き起こされる

要旨:IL-6受容体であるgp130にF759変異を持つマウスは、gp130を介したSTAT3活性化が亢進し、関節リウマチに似た関節炎を自然発症する。我々は、この病気の発症がCD4+ T細胞とIL-6ファミリーサイトカインの両方に依存していることを明らかにした。CD4+ T細胞が必要であるにも関わらず、病気が発症するためのF759変異は非造血系細胞にのみ必要だった。この非造血系細胞のF759変異によりIL-7の産生が亢進し、またこの効果がSTAT3に依存することがコンディショナルノックアウトマウスを使った実験により証明された。このF759変異マウスでは CD4+ T細胞のホメオスタシス増殖が亢進しており、このホメオスタシス増殖をさらに誘導することで病気が増悪した。また、坑IL-7抗体の投与により、亢進したホメオスタシス増殖が阻害されるばかりでなく、病気の進行も抑えられた。これらのことから、F759変異マウスの自己免疫疾患は異常なgp130- STAT3シグナルによるIL-7増加が引き起こすCD4+ T細胞のホメオスタシス増殖の亢進が原因となって発症することが明らかとなった。

URL http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molonc/www/