証明書・各種支援・提出様式等

山村賞

第11代大阪大学総長として大阪大学及び大阪大学医学部の発展に大きな足跡を残された故山村雄一名誉教授を記念して、本学を代表しうる、特に優れた学生に山村賞を授与しています。

山村賞受賞者一覧(平成15年度~)

令和2年度山村賞受賞者

佐田直基 学部6年

Inhibition of HDAC increases BDNF expression and promotes neuronal rewiring and functional recovery after brain injury

HDACの阻害は脳損傷後のBDNF発現と神経回路の再編成、運動機能回復を促す

山村賞受賞のことば 佐田直基 

この度は山村賞という、非常に栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。2年生の夏に現在の研究室に所属させてもらって以降、5年もの長い期間、研究をはじめ大会での発表や研究留学など、様々な掛け替えのない体験を積ませていただきました。大学に入学したてで右も左もわからない状態の私に、真摯に向き合い、あたたかくも粘り強く指導をしてくださった、山下俊英教授、藤田幸准教授をはじめ、技術的なサポートのみならず精神面でも支えてくださった分子神経科学教室の皆様に、心より感謝申し上げます。同研究室では、「HDAC阻害の脳損傷後の運動機能回復に与える影響」をテーマに、vitrovivoでの様々な手技や得られたデータの解析手法、そして研究のデザインの立て方やまとめ方など、研究者としての基礎となる部分をご指導いただきました。この研究が将来的に脳外傷患者のよりよい治療に繋がることを願うとともに、この掛け替えのない経験を活かして研究を進め、今後も基礎研究を通して少しでも医学に貢献できるようより一層精進してまいりたいと思います。

竹内太郎 学部6年

Impact of reproductive factors on breast cancer incidence: pooled analysis of nine cohort studies in Japan 

日本人における女性生殖要因と乳がん罹患の関連

山村賞受賞のことば 竹内太郎

この度は、山村賞という大変名誉ある賞を賜り光栄に存じます。研究のご指導を賜りました祖父江友孝教授、北村哲久准教授をはじめとする環境医学教室の皆様、循環器内科学教室の先生方、医学統計学教室の先生方、救急医学教室の先生方、ならびに研究でお世話になった全ての皆様に心から御礼申し上げます。私は大学入学直後から統計学を独学で勉強してきました。勉強を進めていくうちに、実際に自分の手でデータ解析を行ってみたいと考えるようになり、大学2年生の末に環境医学教室の門を叩きました。それから約4年間、がん、循環器、救急、スポーツ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など様々な領域の疫学研究に取り組ませていただき、在学中に筆頭著者として計7本の論文を発表することができました。今回の受賞を励みに今後更に研鑽を積み、「医学・統計学両方の専門知識を持ち、患者さんにとってより良い医療を提供でき、医学の発展に貢献できる医師・医学研究者」を目指して、前進を続けてまいります。

水野彰 学部6年

Biological characterization of expression quantitative trait loci (eQTLs) showing tissue-specific opposite directional effects

組織特異的に逆方向の効果を示す発現量的形質遺伝子座(eQTLs)の生物学的特徴付け

山村賞受賞のことば 水野彰

大阪大学医学部の伝統ある山村賞の受賞者にお選びいただき、身に余る光栄に存じます。これまで学生生活を支えてくださった周囲の方々と、岡田随象教授をはじめとした遺伝統計学教室の先生方に、心より御礼を申し上げます。同教室では、大容量ゲノムデータの統計学的な解析手法を学ばせていただきました。疾患と関連性はあるものの生物学的意義が不明な変異・多型情報について、近傍遺伝子発現量の組織間差異の観点からアプローチし、手厚いご指導の下で研究成果を論文にまとめることができました。シーケンス技術およびその解析手法の発展は目まぐるしく、個々を追いかけていては、データ蓄積と技術開発のスピードの速さに飲み込まれてしまいます。いかに大局をつかみ医学的に意味のある解析へと導くかを、遺伝統計学教室にて学ぶことができました。いつか日常診療にインパクトのある成果につなげることができますよう、これからも精進してまいる所存です。

令和元年度山村賞受賞者

中西由光  博士課程4年

Semaphorin 6D reverse signaling controls macrophage lipid metabolism and anti- inflammatory polarization

Sema6D逆行性シグナルは脂質代謝を介して抑制性マクロファージ分化を促進する

 

山村賞受賞のことば 中西由光

この度は山村賞という大変名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。周囲の方々にご支援いただき4年間研究に没頭できたことは大変貴重な経験、財産となりました。指導教官である熊ノ郷淳教授、姜秀辰先生をはじめとした呼吸器・免疫内科学の先生方、共同研究者の皆様にこの場を借りて、心より感謝申し上げます。同研究室では「神経ガイダンス因子による免疫代謝制御」という内容で研究を進め、神経-免疫-代謝の連関という大きなテーマに挑戦しました。飛躍的な技術革新に伴い、生命科学は目まぐるしい発展を遂げています。ともすれば自分の個性を見失ってしまいそうな、この非常に大きな研究の潮流の中で、自分の特性を活かした研究を展開することが今後の目標です。この受賞を励みに、生命医科学の発展、translational researchの推進に貢献できるよう日々精進していく所存です。

岸川敏博  博士課程4年

Metagenome-wide association study of gut microbiome revealed novel aetiology of rheumatoid arthritis in the Japanese population

日本人の関節リウマチ患者を対象としたメタゲノムワイド関連解析による腸内微生物叢の病原性の解明

山村賞受賞のことば 岸川敏博

この度は山村賞という大変名誉ある賞を賜り、身に余る光栄です。浅学菲才な私に真摯に指導くださいました猪原 秀典教授、岡田 随象教授をはじめ、研究に多大なご協力をいただきました免疫制御学教室、呼吸器・免疫内科学教室、微生物病研究所、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室、遺伝統計学教室の皆様に、心より感謝申し上げます。本研究では微生物叢から得られるビッグデータを最適に処理するため、メタゲノムショットガン解析手法を構築し、関節リウマチ患者の腸内微生物叢における特徴を見出しました。阪大内の様々な教室の先生方との連携を通じてこのような成果を得られたことは、非常に感慨深い経験であり、阪大としてのチーム力というものを強く実感することができました。本研究が将来的に関節リウマチ患者のより良い治療・診断へと繋がることを願うとともに、今後も基礎と臨床の橋渡しになれるよう一層の努力を続けてまいります。

新村啓介 学部6年

Bivartect : accurate and memory-saving breakpoint detection by direct read comparison

Bivartect : リード直接比較による高精度・省メモリ使用量な変異検出法

山村賞受賞のことば 新村啓介

この度は山村賞という大変名誉ある賞を賜り、厚く御礼申し上げます。ご指導ご鞭撻を賜った河原行郎先生、加藤有己先生をはじめ、神経遺伝子学教室の皆様に心より感謝申し上げます。私は学部3年の基礎配属実習にて神経遺伝子学教室にお世話になり、以降、続けて研究をさせていただきました。医学はもとよりプログラミングやデータ解析にも興味があったため、バイオインフォマティクスの分野に惹かれ、遺伝子変異解析を学習する過程でオリジナルの解析アルゴリズムの着想を得たのがきっかけでした。基礎医学の研究がどのようにして行われるのか学ぶ貴重な機会に恵まれ、興味の尽きない4年間を経験させていただきました。今後、医学とコンピュータ分野の融合はますます進むことが必至であり、この掛け替えのない経験を活かして研究を進め、少しでも医学に貢献できるよう一層の努力を続けていく所存です。

平成30年度山村賞受賞者

森田直樹 博士課程4年

GPR31-dependent dendrite protrusion of intestinal CX3CR1+ cells by bacterial metabolites

腸内細菌由来代謝産物による小腸CX3CR1+細胞におけるGPR31依存的な樹状突起の伸長

山村賞受賞のことば 森田直樹

この度は山村賞という大変名誉ある賞を賜り、身に余る思いです。これもひとえに、指導教官である竹田 潔教授、梅本 英司准教授をはじめとした免疫制御学講座の皆様のお力添えの賜物です。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。同研究室は腸管免疫学において世界をリードする研究室であり、このような恵まれた環境で博士過程を過ごせたことは、私にとって唯一無二の素晴らしい経験でした。同研究室では小腸管腔中に存在する数兆を超える腸内常在細菌と宿主免疫細胞の相互作用に注目して研究をさせて頂きました。腸管免疫学の一端に触れることで、本研究分野には未だ解明されていない多くの謎が残されていることを改めて実感致しました。今後も同研究室で学んだ経験を糧に腸管免疫学の発展に尽力して参ります。最後になりますが、山村 雄一名誉教授のお言葉である「夢見て行い、考えて祈る」を胸に今後もより一層の努力を重ねていく所存です。

松田佳祐 学部6年

3D morphogenesis by 2D folding patterns

「3D形態をコードした2D折りたたみパターン」による形態形成

山村賞受賞のことば 松田佳祐

この度は山村賞という大変名誉ある賞を賜り、推薦していただいた吉森教授をはじめ、皆様に厚く御礼申し上げます。仲良くなった友人が関節リウマチを患っていると知ったときから、”自己免疫疾患を根治するような研究をしたい”と思うようになり、大学入学とともに研究室に通うようになりました。紆余曲折あり、現在は「カブトムシの角の形態形成」という全く異なる領域に身を置いていますが、あの時の気持ちは未だに強く持っています。これまでの研究生活で様々な人にお世話になってきましたが、中でも玉井克人教授, 華山力成教授, 近藤滋教授には生物学の基礎的な部分から、研究に対する姿勢まで、様々なことを教えていただきました。心より感謝申し上げます。今後は、発生学で身に着けたスキルをさらに深め、免疫学の研究にも生かしていけたらと考えています。自分なりの研究とは何なのか、模索は続きますが、今後とも見守っていただけたらと思います。