寄附講座

高精度画像下穿刺治療学寄附講座

トランスレーショナルリサーチによる画像下治療(IVR) に関する革新的な治療法・医療機器開発
  • 腫瘍免疫/代謝に着目したIVR IVRによる免疫/代謝調整薬のDrug deliveryに関連する分子生物学的研究
  • 画期的な液状塞栓物質開発: これまでの液体塞栓物質には無い非接着で異物反応の少ない液体塞栓物質の開発
  • Non-vascular IVRのための新規製剤・デバイス開発: CTガイド下マーキング剤や小動物用アブレーションデバイス開発

免疫チェックポイント阻害剤徐放性DDSの新規開発

最近の研究テーマを一部ご紹介します。

免疫チェックポイント阻害剤(PD-L1抗体)を徐放する新しいリピオドールエマルジョンを開発しています。肝細胞癌(HCC) の治療で、抗PD-L1抗体の全身投与による癌免疫療法が行われています。しかし治療効果は決して満足のいくものではなく、さらなる向上の余地があるように感じています。最近、徐放性能の高いDrug Delivery SystemDDS)としてリピオドール・ピッカリングエマルジョンが報告されました。
そこで本研究では、抗PD-L1抗体を徐放するリピオドール・ピッカリングエマルジョンを開発し、HCC治療に応用することを考えています。 

In vitro実験の結果、下記のように抗PD-L1抗体の徐放性能に優れたリピオドール・ピッカリングエマルジョンを作成することができました。

 

さらに研究を進めラットHCCモデルを作成しカテーテルを使用した肝動注を行う予定です。 

本研究によって、より効果が高められた新たな癌免疫療法の開発へとつなげ、臨床応用によってHCC患者の予後改善を最終目標にしています。