内科学

血液・腫瘍内科学

現在の最高レベルの血液内科臨床を行い、その上で世界に通用する新たな治療を生み出す
  • 造血細胞移植療法を含む最高レベルの血液内科臨床の実践
  • 日本の血液内科学を担う次世代の若手臨床医、研究者の育成
  • 世界に通用するレベルの高い血液内科学研究
    1.様々な血液疾患の病態解明のための基盤的研究
    2.基盤的研究により得られたシーズを応用したトランスレーショナルリサーチ
教授 保仙 直毅
内科学講座 血液・腫瘍内科学
白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの血液がん、および発作性夜間血色素尿症・特発性血小板減少性紫斑病などの良性血液疾患の臨床・研究・教育を行っています。現在の最高の血液内科臨床を提供することはもちろん、世界に通用する新たな血液疾患の治療を開発することを目指して努力しています。

血液疾患の病態解明のための基盤的研究とそれにより得られたシーズを応用したトランスレーショナルリサーチ

当研究室では造血幹細胞移植を含めたあらゆる血液疾患臨床を実践することはもちろん、それだけでなく世界で通用する新たな血液疾患の治療を行うための基盤的研究をおこなっております。

基盤的研究の主なグループは以下の様です。

1. 遺伝子細胞治療開発グループ:

我々は血液がんに特異的に発現する細胞表面抗原を同定し、それを標的としたCAR-T細胞療法を開発することを一貫して行っています。既に、多発性骨髄腫に対する新規CAR-T細胞の開発に成功しました。さらに現在、急性骨髄性白血病・各種固形がんにおいても同様に新規標的抗原の同定とそれを標的としたCAR-T細胞の開発を行っております。また、他家由来の細胞療法としてCAR-NK細胞の開発にも着手しております。さらに、免疫学のメッカである阪大で生み出された様々な新知見を応用した新規細胞遺伝子治療・免疫療法の開発も目指しています。

2. 血小板グループ:

血小板は生理的止血、病的血栓の形成は勿論のこと、近年では免疫機構、臓器再生などにおいても多彩な役割をしていることが明らかになってきています。特に血小板機能の中核を担うインテグリンαIIbβ3(GPII/IIIa)の活性化制御メカニズムを明らかにすることは、新しい抗血小板療法開発のために必須です。我々は血小板無力症をはじめ、多くの血小板機能異常症の解析を通じて血小板活性化メカニズムの一端を明らかにしてきましたが、現在その分子機構解明についてαIIbβ3を中心に更なる解析を続けております。またITPおよび先天性血小板減少症の解析から血小板減少のメカニズム解明およびその治療法の開発を進めております。

3. 造血環境研究グループ:

我々のグループは、血液がんの腫瘍細胞だけでなく、腫瘍細胞を取り巻く骨髄中の微小環境に着目した研究を行っています。抗がん剤治療を行った後に骨髄微小環境中に残存する血液がんは再発の原因となり、さらに治療抵抗性となります。これまでに我々は、抗がん剤や放射線照射を行った後の骨髄環境がどのように変化するのかを明らかにしてきました。現在、血液がんが治療抵抗性を獲得するメカニズムを解き明かす研究を進めています。さらに骨髄微小環境にアプローチすることによって、血液がんを制御する新たな治療法を開発することを目指しています。

4. 造血幹細胞グループ

    造血幹細胞は自己を複製しながら生涯にわたって様々な血液細胞を供給する能力を持っています。臨床では血液難病に対する移植・再生医療の根幹を支える重要な細胞です。私達の研究グループは造血幹細胞の生理的な特質の解析に取り組み、新規表面抗原や分化制御分子を数多く発見してきました。発見した分子が造血機構においてどのような役割を果たしているか、白血病などの血液悪性腫瘍とどのように関連しているかも解析しています。このような基礎的な研究を継続するとともに、その成果を、血液難病に対する造血幹細胞を用いた新しい治療方法の開発に役立てることを目指しています。

    5. PNH(赤血球・補体)グループ:

    我々は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を中心とした溶血性貧血の研究を通じ、造血不全疾患における幹細胞クローン拡大機序の解明と、補体関連疾患の病態解明と治療法開発に一貫して取り組んで参りました。現在、造血不全下に非腫瘍性に拡大するPNHクローンの遺伝子解析を通じ、造血のホメオスタシスの解明に取り組んでおります。また寒冷凝集素症(CAD)や難治性AIHAの他、難治性ITPなど、補体に関連した血液疾患の研究と治療開発に取り組んでおります。

    6. 臨床グループ:

    我々は白血病や多発性骨髄腫、悪性リンパ腫といった血液悪性疾患のみならず、PNHITPといった赤血球・血栓止血系の異常をともなう疾患についても幅広く診断・治療をおこなっております。また年間30例前後の造血細胞移植をおこなっており、患者さんの病状に合わせて骨髄・末梢血幹細胞・さい帯の適切なドナー選択を行い治癒を目指しています。2020年より新規細胞療法であるCAR-T療法を開始しております。一方各種新規薬剤の治験(臨床試験)や医師主導型の臨床研究を行い、ユニークな視点でのエビデンスの創出を目指しております。