脳神経感覚器外科学

耳鼻咽喉科・頭頸部外科学

耳鼻咽喉科・頭頸部外科学-変革と躍進
  • 髄膜炎後に盲聾となった患者が人工内耳を使用する際の脳活動
教授 猪原 秀典
脳神経感覚器外科学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
当研究室は、明治39年(1906年)大阪府立高等医学校に耳鼻咽喉科が創設されたことがその始まりであり、100年を超す長い歴史と伝統があります。耳鼻咽喉科の診療領域は、めまい平衡、難聴、鼻・副鼻腔、頭頸部腫瘍、音声・嚥下など多岐にわたりますが、その多くの分野で日本をリードする人材を輩出してきました。

髄膜炎後に盲聾となった患者が人工内耳を使用する際の脳活動

私たちは、髄膜炎後に中途失聴・失明となった男性患者に人工内耳を埋め込み、聴力のリハビリテーションを行っています。人工内耳埋め込み1年後の脳活動をH215O-PETにて測定したところ、人工内耳を用いて単語を聞く際には両側の聴覚野が活動しており、人工内耳によって聴覚野の機能が回復されつつあることが示されました。盲聾患者が指文字を読む際には両側の視覚野の活動が低下していましたが、これは人工内耳術前とは逆の結果となりました。