社会医学

環境医学

環境医学 〜集団を科学し、政策にコミットする〜
  • 科学的根拠に基づくがん対策の推進
  • 研究成果を対策に結びつけるための基盤整備
  • 環境健康リスク評価研究
教授 祖父江友孝
社会医学講座 環境医学
基礎医学、臨床医学、社会医学、それぞれに担うべき役割がある中で、 環境医学が責任をもって取り組むべきことは、人間と環境が接する部分で生じる問題を解決していくことです。 環境医学教室ではそのための研究を行っています。

社会科学的な知識や考え方も取り入れながら多次元的に健康問題に取り組むことが環境医学の役割です

環境医学は社会医学の一分野です。 歴史や文化、精神風土などの自然環境・社会環境も含めて考えなければいけません。 自然科学的な知識や考え方に加え、社会科学的な知識や考え方も取り入れながら、多次元的に健康問題に取り組む学問です。 環境医学では、本来満たされていて当然の生活条件の何かが、大多数の個人において満たされなくなることで学問上の課題となって、研究が行われてきました。環境医学では今目の前にある最も必要性の高い課題から研究していくことが求められています。社会の変化とともに環境医学のあつかうテーマも時々刻々と変化し、多様で複雑な社会になればなるほど、環境医学が責任をもって取り組むべき課題も多様になっていきます。

当研究室は、疫学(Epidemiology)と利益不利益バランス(benefit-risk balance)の考え方を基礎として、人間を対象とした集団科学(human population sciences)を実践し、疾病対策の推進に資する科学的根拠の提示を目指す教室です。疫学(Epidemiology)は、人間を対象として、過去の現象を未来の意思決定に向けて役立てるために数値を用いて検討する、集団科学実践のための方法論(道具)です。一方、利益不利益バランス(benefit-risk balance)の考え方は、従来の有効性評価とリスク評価とを統合して、「価値」によって意思決定の手助けをするものです。人間を対象とした集団科学(human population sciences)は、従来、日本においては「科学」としての認知がされにくい領域でしたが、諸外国では決してそうではありません。我が国における集団科学の地位向上のために貢献したいと考えています。当研究室を主催する祖父江友孝教授は、大学卒業以来これまで一貫してがんの疫学に従事しており、対象とする研究課題はがんを中心に展開しています。